オタサーの姫・後編

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《剃毛》
そのスカイプチャット後、干菜家で飯を食べているときに告げる。

俺「そういや干菜、尻の方のアンダーヘアが剃りきれてなかったぞ」

ご機嫌に話をしていた干菜がさっと青ざめる。

干菜「は!?てか何で今言うの!?」

怒られたが、「飯を食べた後に俺が剃るつもりだったから」としか言いようがない。
さすがにイヤだと断られたが、お尻周りのアンダーヘアは1人で処理は出来ないというネットの記事を見せたり、なんなら頭を下げて頼んで、なんとか了承をもらった。

干菜がユニットバスの浴槽側、俺がトイレ側に立ち、カーテンで仕切る。
準備ができたらカーテンを少しだけ開け、プリンとお尻だけを突き出す。

干菜「ホントもう一瞬でスパッと切って一瞬で忘れてよ!恥ずかしいんだから!」

綿のように泡立てたボディソープをぽふぽふと股間に塗布していく。
「んひっ」とヒクついているが、暴れたら危ないと静止させる。
この程度だと彼氏持ちでも処理しないんじゃないかって気もするが、敢えて黙っておいた。
後が怖いから。
従順にお尻を突き出してくれるなんてそうある機会じゃない。
丁寧に、ねっとりと処理していき、全て剃り終わる。
だが、これで終わりではない。
全裸になり、風呂側へ侵入する。

俺「ムダ毛は脇や股間だけじゃないぞ。体中の産毛も剃らなきゃ。となると俺の服も汚れるかもしれないだろ?」

「そんなのいいって!」と言っているが、「夏らしい服を着て、干菜に綺麗になって欲しいから」と、これまた臭いセリフを放つ。

干菜「あたしを綺麗にとか本気で言ってんの・・・?そのために・・・?」

俺「もちろん」(俺が処理したかった半分だけど)

干菜が背中を向けてくれたので始めることに。
泡立てたボディソープを胸、腹、脇、背、肩、首、腕、尻、脚にとスルリ、ヌルリと滑るように纏わせていく。

なぜか突然、男連中達を思い出した。
あいつらは今頃、あの薄暗い、美姫のパンツが写ってるかどうかも定かじゃない写真でシコシコ抜いてるんだろうな。
一方こっちは干菜が自発的に俺に尻を突き出している。
今触ってる、安産型の尻、母性を感じるモニッとしたお腹。
最早言うまでもない、究極の母性である大きな胸。
これらの繁殖欲求を激しく刺激するカラダを奴らは知らないんだ。
人生における損失である。
その片鱗だけでも見せようというのだ。
優越感もあるけど、これは性の慈善事業だよ。
ああ、飲み会が楽しみだ。

余計なことを考えてたら体を弄り過ぎていたようだ。
干菜が腰砕けになっていた。
とりあえずムダ毛処理の完了。

干菜「死ぬほど恥ずかしい・・・起きたら記憶が無くなってたい・・・」

干菜がボソッと漏らした。

そして、「体が敏感になってるっぽくて、死ぬほどムラムラするけど、今するともう中毒なりそうだから出てって!」と追い出されてしまった。

《服飾》
翌日、思い切り謝った。
しかし干菜は俺への怒りというより快感に弱い自分を律したいって気持ちだったらしい。
というわけで、再び頭を下げて頼み込む。
上下含めた服を全額出してプレゼントするから、それを飲み会のときに着て欲しいと。
全力で頼んだら、「あたしが納得出来る服だったら」という条件で渋々OKしてくれた。
干菜は甘いなぁと思いつつ感謝。

そうと決まれば、あとは想像しているデザインの服を探すだけだ。
女性が着る服を男性が選ぶという光景は異様なので、店員が話しかけて来なさそうな店へ行く。

・半袖の純白フリルブラウス。
(薄手のサラサラ生地にタイトなサイズで小細工せずにおっぱいを引き立てる)
・ヘソ上で穿くハイウエストタイプの黒ショーパン。
・ショーパンにはニーソ。

まあ文字で表すとこんな感じだ。
所詮オタクである俺のチョイスだが、男連中に見せつけるファッションとしてはこれでいい。
リア充男ならともかく、これで落ちないオタクはいない。

干菜「これ、一つ一つはまあいいけど、全体で見るとあたしらしくないって・・・。『なにババアが色気づいてんの?』ってなるって!それに胸がちょっと・・・」

俺「いいの!年なんて俺以外知らないから!これくらいやったら間違いなく、みんなびっくりするから!すごい!ってなるから!」

と、ベタ褒めしまくった。
無理を通せば干菜が引っ込む。

干菜「『うわぁ・・・』みたいな反応になったらあんたがフォローしなさいよ!」

キレながらレジへ持っていく干菜。
それにしても女子の服って滅茶苦茶金かかるな・・・。

《飲み会》
数日後、飲み会の日の夜7時。
出発前に干菜家に寄る。
干菜は上着を着ていた。
酒を飲んで緊張が解けたら脱いであげると。
そこまで恥ずかしいものか。

待ち合わせ場所には2人バラバラに行き、後から来た干菜への全員の視線を確認。
行き先はやはり黒ニーソ、黒ショーパンから作られた絶対領域のようだ。

そうだそうだ、もっと見ろ!
かなりの期間、男の目どころか外気にも晒してないプレミアム太ももだぞ。
美姫の大安売りな絶対領域とは違うのだ。

呆気にとられているのか、誰も口を開かないので、「干菜、イメチェンしたの?雰囲気変わったなーw」と俺から話題に。
干菜は、『おめーは知ってるだろ』と言いたげなアイコンタクト。

B「いやぁ・・・びっくりしたなー。確かに変わったねーw」

その後、店に入れば女の子の隣を取りたい男たちの静かな戦い始まる。
美姫はいつぞやのように俺の隣へ、すっと寄ってきた。
干菜の隣に行こうかと思ったが、すぐにC、Dが隣についた。
美姫の隣にいるのは、美姫から寄ってきた俺を除けばAだけ。
干菜の隣争奪戦にあぶれたBが適当に座る。

どうだ美姫よ。
3対1だぞ。
お前の見下していた女は、お前よりも隣に座りたいと男に思われる女になったぞ。

飲み会が始まり、干菜は結構飲んでいる。
というより、両隣からゆる~く勧められてる。

「美姫ちゃんも干菜ちゃんも飲んで飲んで~」って感じで。

新歓のときは一瞬だって干菜にそんな促しはなかったのに。
俺も潰れないようにして見張っておかないと。

だいぶ飲んだ頃、干菜が上着を脱いだ。
胸部の可愛らしいフリルで視線を誘導させ、さらに黒のハイウエストショーパンにシャツインしているので、シルエット的にも膨張色的な意味でも、視線の先の白いブラウス越し、スポブラで押し込んだりもしていない正真正銘のバスト95を強調する。
全員の視線が集まっていることを確認する。
誰1人、声にこそ出さないが、『でけぇ・・・』と心で思っているであろうそわそわ具合。
男連中、特にB、C、Dは干菜と目が合わない時は大体胸か脚を見ている。
俺や美姫にそれを見られてないとでも思うのだろうか。
まあ干菜の体から目を逸らすことなど出来るはずもないか。
俺は美姫にも男連中にも勝ち誇った顔をしていたのだろう。
美姫から小声で話しかけられた。

美姫「干菜先輩・・・キレイになりましたね」

「そうだな」と適当に返すと・・・。

美姫「男、ですよね。・・・おめでとうございます」

(おめでとう?干菜に対してじゃなくて・・・俺?)

聞き返そうとするも、また飲み会テンポに戻り、聞きづらくなった。
そして、そのままお開きとなった。
干菜が一番飲んだが、なんとか家には帰れそうだ。
D達もそれなりに、俺は抑えていたし、美姫はもっと少なかった。
男連中は駅までだが、途中まで同じ道なので、干菜を送ると言う。
ゲンキンな奴らで、あれほど護衛してた美姫を、もう夜道に放り出そうとしている。
ちょうどいいので、近くにあった公園のベンチで美姫と2人で話をしようと持ちかけた。

《対話》

「おめでとうって何だ?何か知ってるのか?」

単刀直入に聞いた。
Aに教えてもらったらしい。

美姫「ちょっと前からD先輩がそわそわし出すし、みんなのヒキが悪くなったので。一番のヘタレですし、隠し事を吐かせるならあの人かなとw」

おそらく教えてあげることで信頼できる先輩アピールをしたかったんだろうな。
全部美姫に読まれててAが可哀想だ・・・。
それで俺が美姫について男連中に話したことも知ったわけか。

美姫「先輩こそ知ってたんですよね、私のこと。いつ知ったんですか?」

GW明けくらいの学食でと正直に答えた。

美姫「あー・・・あの時からかー・・・しくじったなあ。で、先輩は干菜先輩と仲良くなって、今付き合ってる・・・でしょ?」

バレてたのか。
誰にも言ってないのに。

美姫「分かりますよーwだって先輩、干菜先輩じゃなくて、それを見るD先輩達を見てましたもんwしかもドヤ顔でwで、オシャレはたぶん先輩がさせてた。私に対する当て付けで、でしょ?」

女の子って怖い。
ズバッと当てられてしまった。
そのとき美姫が立ちあがり、こちらに寄ってきた。
座ってる俺の脚に跨がって女の子座りをして(対面座位みたいな)、肩を抱き、顔を寄せてきている。
ひとしきり俺の反応を見た後・・・。

美姫「以前の先輩なら、ここまでやれば落とせてたんだけどなあw・・・ってことは干菜先輩とは最後までしたってことですか?」

また当てられてしまった。

美姫「夜の干菜先輩って全然想像つかないですねwあれで結構しおらしかったりするんですか?」

性生活を話す義理もないのでノーコメント。

美姫「まあいいか。知られちゃった以上、もうここにはいられないですね。さすがにこれ以上変な写真を撮られたくないしw」

美姫に対する怒りはそこまでなかった。
この関係を利用して干菜に近づいたわけだし、ぶっちゃけ男だけの去年より今の方が幸せだ。

美姫「もう大学でも知り合いとして会うことはなさそうですね。楽しかったですよ」

そう言って歩き始めた。

美姫「あ、そうそう。色々話しといてアレですけど、干菜先輩、あまりほったらかしにしてちゃダメですよ。特にD先輩には。あの人の暴走をコントロールするのは、この私だって手間取ったんですからwそれじゃあ、さよなら」

(どういうこっちゃ?)

そう思いながら携帯を見ると、例のエロ画像チャットにDが画像を載せている。
ズームされているが、先程の飲み会中の干菜の胸元を横から撮った画像、つまり盗撮だ。

俺「なんで干菜を撮ってんだよ!干菜は何もしてないし、撮るのは美姫だけだったはずだろ!」

チャット上で抗議する。
いや、美姫でもどうかと思うけど。

D「どうせバレたら犯罪じゃねーか。毒皿ってヤツよwそれに干菜ちゃん、美姫より脇が甘いから結構いいの撮れるぞw」

くそ、ここまで倫理観を無視したヤツだったとは。

D「それよりお前も早く来いよw今、干菜ちゃん寝てるから。起きないうちに撮影会しようぜw」

俺「すぐ行くから何もするなよ!」

そう念を押して猛ダッシュで干菜家へ走った。

《決別》
干菜家に3分で到着。
ベッドで寝てる干菜を囲むように座って待っていた男4人。

C「おー早かったな!干菜ちゃん見てみろよ。なんか今までになく化粧とかもしてるし、これって俺たちを意識してのことかな?」

心が痛む。

「女としてキレイになって欲しい」とかなんとか干菜には言ってるが、俺のコンプレックスから来る顕示欲に振り回した所為で、こんな危険に晒してしまった。
これほど飲んでいたのも、俺が守ってくれると思っていたからではないか。
そんな干菜を俺は・・・。

D「早速撮ろうぜwさすがに服は脱がせられないけど、このままの写真でも2ヶ月はネタに困らないなw」

体には触れてないか聞いてみる。

B「あ、それはないよ。干菜ちゃん自力でここに着いたし、それに撮るだけならまだしも触るのはねw」

Dよりは紳士的な対応のようだが、彼氏の俺からしたら変わらない。

D「ほんの少しくらいなら問題なさそうだけどなwじゃあ始めるか」

携帯を取り出したところで、その手を掴む。
一瞬頭に浮かんだ、俺が黙っていたら、このままこいつらとの友人関係は保たれるという可能性。
言ったら間違いなく、こいつらとの関係の破綻は避けられない。

しかし、初めての彼女なのだ。

「好きだ」と言ったし、「好き」と言ってくれた女の人だ。
もう俺の事情や欲求に巻きこみたくない。

俺「干菜は俺の彼女だ。もっと早く言わなかったのは悪かったけど、こうなった以上、俺はお前らとやっていけないし、干菜にお前らを近づけさせることもできない」

しばしの動揺があり、A、B、Cの3人が、そして遅れてDが謝ってきた。
画像を見た当初こそ怒りはあったが、俺も同じ立場だったら強く否定せず流されてただろう。
だから許すも何もない。
だが、今まで通りやっていくことも、またない。
携帯を出させて、飲み会の干菜の画像を消させる。
正義漢じゃないから美姫の画像までどうこうは言わない。
皮肉にも俺が立てたグループチャットだったので、エロ画像チャットから4人を退席させることも容易だった。
サークルチャットからも退席した。
一足先に美姫も退席していたようだ。

《陳謝》
D達を追い出して、部屋には2人。
干菜が寝たままでは俺が出ても鍵を閉められない。
そのためだけに起こすのも気が引ける。
ということで、俺はずっと佇んでいた。

思い返すは去年、男5人で遊んでた思い出。
本当に楽しかった。
初めての、とまでは言わないが、数少ない大事な友達だった。
もう奴らとああして遊ぶこともないんだなと考えると涙がこぼれてきた。
干菜のことだって、「すげー!いいなー青春してるなー」くらいに羨ましがられたい、その程度だったのに。

干菜が起きてきた。

「泣いてんの?」と聞かれた。

美姫と俺がサークルチャットを抜けていることと併せて全て話した。
見たくなければ見なくていいと一言添えて、俺1人残ったエロ画像チャットのログを映した携帯も渡した。
俺たちが裏でやっていたことを全部見たらしい干菜は、「そっか、絶交したんだ・・・。だから泣いてたんだ」とそれでも俺のことを気にかけてくれた。

まだ言うことはある。
俺は美姫やD達に対する顕示欲のために干菜を利用して、危ない目に遭わせてしまったことを謝った。
別れを切り出されることも覚悟していた。

干菜「え・・・?いやいや何言ってんのwあたしが女っ気ないからお洒落しなきゃってのはもっともだし、まー確かに恥ずかったけど、人の視線に慣れなきゃいけないとはあたしも思ってたから!それに・・・ちゃんと守ってくれたじゃん」

涙を抑えきれない。

干菜「ふふ、また泣くの?まー一応人生の先輩だし、おねーさんに甘えなさいなw」

1年強過ごした友人との決別、許してくれる優しさに触れ、干菜の胸で泣いた。
・・・ってだけだったらいい話なのだが。
数分泣き晴らしたら、自分の置かれた状況を再認識して、一気に勃起して一瞬でバレてしまった。

干菜「何?wしおらしく泣いてると思ったら今度は興奮してんだw」

煽られた。

干菜「こんな押しの弱いあんたは珍しいから、今からやろw今日こそあたしがリードするから!」

しっぽり搾り取られてしまった。
これまでにない押しの強さと愛のあるセックスをしたと思う。
充足感なら初夜のとき以上にあったかもしれない。

こうしてサークルは3人が去り半壊滅。
友人も失った。
あいつらと、そして美姫がどうしているかは知る由もない。
が、干菜には誠実でありたかったがゆえの選択なので、後悔はない。

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