問題は山積みだけど、兄と恋人気分を満喫中・前編

この体験談は約 7 分で読めます。

私は17歳の高校3年生です。
兄は大学2年で、東京の大学に通っています。

私は小さい頃から兄のことが好きでした。
昔は男性として意識したことはありませんでした。
一方の兄からも溺愛されているとも感じませんでしたが、べったりなとこもあって、色んなところに連れていってもらってました。

私が初めて兄を男性として意識したのは高校生になってからです。
同じ高校に通っていたのですが、兄はモテていたみたいで、1年の私の周りにもファンが多くて、仲介を頼まれたりしました。
高校で見る兄はなんだか別人みたいに思えました。
兄は結構人見知りする性格で、学校では硬派というか、ちょっと恐いキャラで認識されてました。
でも本当の兄はかなり面白い人で、生活パターンも被るようになった私たちは徐々に接近してきました。
学校では近寄りがたく思われてる兄を独占できるのは結構気分がよかったです。
と同時に、兄のファンの連中をうざいって思う気持ちや、兄に近しい3年生の女子を妬む気持ちもありました。
ちなみにそのときは、お互いに恋人はいませんでした。

兄は学祭でバンドをやりました。
前日に、「お前、絶対見に来いよ~」と言われたのですが、私は「模擬店の店番が抜けられないんだ」と言いました。

「可哀想だから、『愛する妹のために歌います』とか言ってよ」

私が冗談ぽく言うと、「おー、いいぞー」と二つ返事で返されたのですが、普段は兄は私を弄る感じなので、まあ嘘だろうとしか思いませんでした。
そして翌日、私が朝六時ごろセッティングをするため学校に行くと、兄が器材の搬入をしてました。
たまたま2人きりで遭遇したのですが、かなりテンションが上がってたらしく、「愛してるぞ~」と言われました。

「まさかお兄ちゃん、昨日言ったこと、実行しないよね?」と聞くと、笑いながら「さあね~」と言いました。

ここで他のバンド仲間がやって来て話は中断されてしまいました。

そして兄のバンドの時間になりました。
私はすっかり忘れていたのですが、友達が「先輩のバンド見に行かないの?」とわざわざ誘いに来ました。
朝のことをちょっと思い出したのですが、お店が忙してく結局ついて行きませんでした。
それから20分くらいして、やっと人が少なくなってきた時、兄のことを思い出しました。
もう終わってるかなと思いながら少しだけ抜けさせてもらうことにしました。

会場は2階建のホールでした。
1階の螺旋階段を上がろうとしたとき兄の声が聞こえてきました。
どうやら次の曲紹介のようだったのですが、なんか気恥ずかしくもあり(ブラコン気質は隠してた)、階段に座って聴くことにしました。

「では、愛する俺の妹、◯◯のために歌います」

兄の声が聞こえてきました。
私は、(何寒いことしてんじゃー!)と心の中で叫びながらその場から逃げました。
そのあとみんながわざわざそれを報告しに来てくれて、二重に恥ずかしかったです。

その後3日間、お互いに忙しく会うこともなかったので、兄にはクレームのつけようもありませんでした。
でも実は、恥ずかしい反面嬉しい気持ちもありました。
兄を学校でたまに見かけたりもしたので、結構モヤモヤしつつ最終日。
花火とか色々盛り上がった後、3年の女子と睦まじく話す兄の姿を目撃しました。
なんていうか、ちょっとムカついたけど、ブラコン気質は隠してたので気付かないふりをしつつ監視していました。

と、2人が建物の影へ・・・!

もちろん尾行しました。
どうやら兄は告白されているようでした。
すっごくムカついたけど、その場を後にしました。

祭りの後で兄から、『今どこ?3年の飲み会があるんだけど、友達と来ない?』とメールが来ました。
私は適当に面子を集めて居酒屋へ行きました。
どうやら兄は友達から、「妹とか呼べよ」と言われたみたいで、ちょっとコンパっぽい雰囲気でした。
私は兄に、(あのことを言わなきゃ)と思って、兄がタバコを買いに出て行ったのを見て外に出ました。

「おにーちゃん!」
「おー、なにしてるの」

「あのさ、言ったでしょ」
「何を」

「愛する・・・」
「ああ、あれね!いたの?」

「ちょっとね」
「惚れた?俺、超クール」

「ばか」
「ばかじゃない!」

兄はだいぶ酔ってました。
この勢いなら聞けると思って、「そうだ、女の人といたでしょ?」と聞いてみました。

「あぁ・・・あれね」
「告られてた?」

「まあそうかもしれない」
「付き合うの?」

「わからん」

ここに来て私は、(兄を取られるかも)と思うと同時に、兄に対する気持ちのちょっとした変化に気付きました。
私は思い切って、「やめなよ」と言ってみました。
すると兄は、「うん」とすんなり返事しました。

(えっ?)

そう思ってると、「俺が愛するのは◯◯(私)だけだもんな」と笑いながら言いました。

私はドキドキしたけど流す感じでその時は終わりました。

その日は結局オールで、始発まで待って家に帰りました。
電車の中で爆睡して家に着きました。
私は飲み会の余韻を引きずってなんか寂しくて、「お兄ちゃんの部屋にいていい?」と聞きました。

「いいよ」と言ってくれたので、兄が寝てる横で漫画とかを読みながらウトウトしていました。
そのうち一緒に私も横になりました。
なんとなく兄を独占したい気持ちがあったんだと思います。

布団に入ると兄が目を覚ましました。
そしてなんと私を抱き締めてきたのです!
私はかなりびっくりしたけど、その時は兄のことがかなり好きだったのと、(寝呆けてるのかな?)と思ったのと、なんか気持ちよかったのでそのままにしました。
でも眠気は吹き飛んだので兄の寝顔を眺めてました。

(こうして近くで見ると、かなりきれいな顔だなー)

そう思いましたが、そんなことを考えてる自分が気持ち悪くもありました。
また、(こんなに近くで兄の顔を見つめた女の人が他にもいるのかな?)などと考えたりもしました。
衝動的に兄の顔に触ってみました。
なんだかすごく愛しい気持ちになりました。

私はいつの間にか眠っていたようで、目を覚ますと兄がベッドに座って漫画を読んでました。
私はさっきの行動について聞こうかと思いましたが、気まずいし、兄が言わなければいいやと思ってほっとくことにしました。

もうお昼過ぎだったのでごはんを作って兄の部屋で食べてました。
すると兄がおもむろに、「◯◯は可愛くなったよ」と言いました。
私はコメントしづらすぎる・・・と思って、「お兄ちゃんも格好良くなった」と笑いながら返しました。
茶化すだろうと思ったのに兄の表情は真剣でした。
私は何か別の話題を振らなければと思いつつ、焦って黙ってしまいました。
すると兄に先手を打たれました。

兄「ほんとに。中学のときは可愛げがなくなったって思ったけど、なんていうか女の子っぽくなった」

私は(これって口説かれてる?!)と思いつつ、しっかり口説かれてました。

私「ね、昨日私が、『告って来た人と付き合うのやめて』って言ったら、『うん』って言ったでしょ?なんで?」

思い切って聞いてみました。
兄は、「わかんない?」と言いました。
私は、さっきのベッドのことは寝呆けてたわけじゃないと確信しました。
兄の目は真剣でした。
私は床に皿を置くと、兄のほっぺを両手で挟んでキスしました。

実は私たちは子供の頃、親の目を盗んではディープキスのようなことをしていました。
といってもキスとかの概念はなくて、ただ舌と舌をくっつける遊びみたいな感覚だったのですが・・・。
なのであんまり抵抗はなく、衝動的にキスしたわけなのですが、やっぱり子供のときの気持ちとは違いました。

顔を離すのが恥ずかしいので兄の反応を見てると、予想に反してイケイケでした。
舌が入ってきました。
兄のキスはめちゃくちゃやばかったです。
かなりのテクニシャンでした。
私はキスで声が出るほど開発されてはなかったけど息は結構荒かったと思います。
肩に手をかけてぐっと引き寄せられたとき私は、(これ以上に持ち込まれる!)と思って顔を離しました。
さすがに理性が咎めたけど、気持ちは完全に(お兄ちゃん大好き)でした。
兄も兄で理性の人なので、「ごめん」とだけ言い、私は部屋を出ました。

学祭の日の話はここまでです。
前置きが長くてすみません。

年末、やっと兄が帰って来ることになりました。
本当に久々に見る兄は、やっぱり大人っぽくなっていて、少し遠くに感じました。
私はずっと前から、(このときしかチャンスはない)と思って、気合いを入れていました。

大晦日の夜に「お寺に行きたい!」と言って、渋る兄を連れ出すことに成功しました。
あまり人通りのないところで私は話を切り出しました。

「彼女いないの?」
「なんで?」

「だって年末なのに帰ってるし」
「あのね、みんな帰るの。いてもつまんないの」

「ふぅん、じゃあ彼女はいないんだ?」
「・・・」

「あのね・・・去年の学祭のこと、覚えてる?」
「ああ、飲んだときのでしょ」

「そうじゃなくて、その後・・・」
「キス?」

「・・・うん」
「覚えてるさ」

なんだか嬉しい気持ちになりました。

「あのとき一緒に寝たよね?」
「寝たね」

「お兄ちゃん、私に抱きついてきたの知ってる?」
「抱きついたね」

(やっぱり・・・あれは寝呆けてなんかなかった、少なくともあの時、お兄ちゃんは・・・)

私は不安な気持ちを抑えて言いました。

「あのときからずっとお兄ちゃんのことが大好きです」

兄はしばらく無言でした。
私は心臓が止まるほど緊張しながら様子を窺っていました。

「俺たちは兄妹なんだよ」

しばらくして兄が口にした言葉にかなりショックを受けました。
正直、どこかでは兄に受け入れてもらえるような気がしていたのです。
私はたまらなく恥ずかしくなって泣きだしてしまいました。
兄は声をあげて泣く私を宥めながら色々なことを語りました。

自分が高校のとき、ずっと私に恋心を抱いていたこと。
それを押し隠すために必死だったこと。
キスした日、何度も気持ちを打ち明けようとしたこと。
私の彼氏に嫉妬していたこと。
今は彼女もいて、上手くやってること・・・。

これが私にとって一番の打撃でした。
涙が止まりませんでした。
その後、兄は帰るまでずっと手を繋いでいてくれました。
私は兄の優しさが辛かったけど、手を振り払うことはできませんでした。

「彼氏とはまだ付き合ってる?」

「とっくに別れたよ。お兄ちゃんのことが好きだから」

家の前まで来たとき、私は兄の目をまっすぐ見つめて言いました。
と同時に、堰き止めていた涙がまた溢れてきました。

「そんな顔じゃ家にあがれないぞ」

私は兄から逃げるように2階の自室へあがりました。

<続く>

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