私をときめかせ、理性を封じ込める濡れたアスファルトの匂い

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今から一週間くらい前の夜に一時的に大雨になりました。

その日は夕方の天気予報から「今日の夜半ごろ局地的に大雨になる・・・」と報じていました。

私は部屋の窓を開けて空を眺めました。
いつもならすっきりとした空にぽっかりと月が浮かんでいるのですが、予報を裏付けるように月は薄雲でぼんやりとしていました。
私はそわそわしながら夜が更けるのを待ちました。

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10時を少し回った頃でしょうか、窓越しにぱらぱらと雨の気配を感じました。
なんとなくベッドに横になってテレビを見ていた私はときめいて、ぱっと飛び起きて窓を開けました。
湿気となった雨粒がひんやりした夜の空気に混じり、濡れたアスファルトの匂いを運んできました。

私をときめかせ、理性を封じ込める匂い。

私はいそいそと散歩の準備をしました。
数年前のデパートのセールで買った汚れても悲しくないスカートと、ブラウスに安物のニットを羽織って、脱いだ服をしまっておくビニールの手提げも忘れずに。
落ち着かなげに部屋のあちらこちらを、何をするわけでもなく、ちょんちょんと手をつけている私。
ベッドの上にはすっかり準備されたビニールの手提げが乗っていました。

時計の両針が真上でぴったりと重なる少し手前。
待ちわびた時間が訪れました。

いつもは自転車で目的地に行くことが多いのですけど、部屋の中に居てもかなりの大雨が降っているのがわかりましたので、今回は歩いて行くことにしました。

向かった場所は最近気に入っている近所の畑です。
ここは幹線道路で中分された比較的大規模な農業地域で、細い道によって碁盤の目のように区画された畑はこんもりと小高く、道の前後に気を配ってさえいれば裸で歩いていることを発見されることはほとんどありません。
また、区画されたすべてが畑というわけではなく数区画は樹木が植えられ林になっていて、とっさの時に身を隠す場所もあります。

大粒の雨がざあざあと降りしきる中、私は下半身を濡らしながら歩いていきました。
濡れることは予想していたので靴下は履いておらず、スニーカーの中に浸水した雨水は体温で温くなり、歩くたびにジュクジュクと不快な音を立てていました。
比較的大きな傘を差して行ったにも関わらず、肩口に雨が横殴りに当たり、ニットの下のブラウスはびしょ濡れになっていました。
ニットを羽織っていかなかったらオブラート張り付いたプリンのような胸が露わになっていたことでしょう。

20分くらいでその場所に到着しました。
幹線道路は長いピッチで外灯が設置されていましたが、道は暗く、明かりに照らされていない部分は完全に闇の中でした。

私はまず林の中にこっそりと入り込みました。
そこはガーデニングで使われる枕木が山積になっていて、脱衣場にするにはもってこいの場所でした。
私はそこで体に張り付いた服を一枚一枚脱いでいきました。
すでに脱いだ服はびしょびしょになっていましたが、気休めに手提げにしまい、枕木の根元に隠しておきました。
全裸になった私の体に雨粒がぴたぴたと当たり、髪を濡らしました。
私は濡れた髪を後ろに撫で付け、体についた水滴を払うつもりで体を擦りました。

少し寒かったせいでしょうか?
私の肌は鳥肌が立っていてざらついていました。
おへその辺りから胸にかけて手のひらをすり上げると、皮膚の細胞がきゅうっとちじんでしまったように体が締まっていました。

手のひらで胸を持ち上げ、ストンと落とすとフルフル揺れる胸の先端の乳首はポロリと落ちてしまいそうなくらいに“シコって”いるのが感じられました。

私はうっとりした気分で林の出口に向かいました。
林の入り口は砂利が敷き詰めてあり、足の裏をちくちく刺し、時々私に小さな悲鳴を上げさせました。
細い道に出ると私は前後を窺いました。
車が近づいてくる気配はありません。
近くに車が止まっているような気配もありません。

今回の私のゲームは『一区画を裸で一周してくること』でした。

でも、幹線道路の真ん中にふわっと踊り出たとき、なんとも言えない開放感が私を包み込み、淫らでイタズラっぽい私が現れました。

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