公園のアベックを痴漢するときの心得

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新聞店の仕事は、午前3時前後から始まる。
痴漢の時間は、午前1時から2時半の間と決めている。
季節は夏がいいように思われているが、実際は秋から冬にかけてが面白い。
真夏の熱帯夜というのはどうしても痴漢も多く出没する。
おまけにアベックは、それを警戒して明るい水銀灯の近くに集まってしまうし、ペッティング程度で切り上げてしまうことが多い。
これが涼しくなってくると風の当たらない場所を選ぶようになるし、暗がりのベンチや植え込みのそばでセックスしてくれる。
こちらとしてもありがたいのである。

初心なアベックの見方について、全部ではないが解説してみよう。
初心なアベックを見分けるのは、飲み物や食べ物を持って公園に来るかどうかである。
公園をよく利用するアベックは手ぶらで来ることが多い。
初心なアベックは、まず食べ物や飲み物を理由にしてフラフラと公園へ入ってくる。
また慣れたアベックは、周囲に何もない、たとえば芝生の真ん中などを好む。
芝生で堂々とやられると、意外と見られないものである。
初心なアベックほど人影の少ない場所、暗がりや物陰に行きたがる。
こういうアベックが私の趣味の対象となるのである。

11月の声を聞き、最初に獲物を捕らえた寒い夜のことを少し書いてみよう。
私が覗きと痴漢によく利用する公園は、新大阪から車で20分ほどの距離にある緑地の中にある。
植え込みと街路樹が複雑に入り組み、おまけに配置されたベンチとベンチに段差があるという素晴らしいロケーションなのである。

あれは午前1時を少し回った頃だったと記憶している。
私はいつも犬の鎖を下げて歩く。
これを持っていると、たとえ真夜中であっても、近所の親父が公園で飼い犬の首輪から鎖を離して散歩させているように見えるからだ。
ときには、「チロ、チロ」と、どこにもいない犬の名前を呼んだりもする。

その夜、いいカップルを見つけた。
私が得意とするベンチに座っている。
さっそく植え込み伝いに遠回りしながら接近を試みた。
どうやら学生風のカップルのようだった。
緑地の近くには繁華な飲食街がある。
そこで飲み過ぎた学生が酔いを醒ましたり、始発電車を待つのにこの公園をよく利用するのである。

「な、ええやんけ」

一番近い植え込みに入ることに成功したとき、すでにベンチのカップルは始まる寸前だった。
女の子は男の膝に座っていた。
酔っているのは彼女のほうらしく、頭を前後にガクガクさせながら男の首に腕をまわしている。
植え込みとカップルとの距離は2メートル足らず。
咳払いどころか鼻息だって注意しないと聞かれてしまう危険な場所でもあるのだ。

「な、ほら、な」

男はしきりと女に話しかけている。
さすがに酔い潰れた相手に何かを仕掛けるのは気が引ける様子だった。
煙草と酒と香水とシャンプーと汗の混じった匂いが植え込みの中にまで漂ってくる。
これがまた興奮するのである。

男の手が彼女の太ももを弄った。
目をつけた通りだ。
経験も浅く、どう愛撫していいか分からず困っている。
手つきですぐにわかる。
彼女の意識が少し戻った。
初心なアベックほど暗がりのベンチを選んでくれる。
しかも私が遭遇したこの獲物のように、どちらかがひどく酔っていたり、介抱役の男が女の子の扱いに慣れていなくて、妙にぎこちなかったりしていると実にやりやすい。

「ほら、しっかり」

男はしきりに女を励ますようなことを言っているが、その口とは裏腹に手は背中から太ももへ回ってきている。
そもそも介抱するのなら、膝に乗せて抱き締めることもあるまい。
女の子の上体を支えているので左腕は死んでいる。
つまり使うことができない。

「うーん・・・卓ちゃんのエッチ」

彼女も満更ではなさそうである。
しかし酔っているので、彼氏が片腕しか使えないことまでは意識できない。

「ええやんけ」

植え込みの中、私はハンカチを咥えて息を殺し、そっと手袋を外す。
悪戯は左手と決めている。
別にスリの利き腕とは違うのだから右手でもいいのだが、やはり植え込みとベンチの位置関係から、左手のほうが伸ばしやすいし、引っ込めやすいからだと思う。
男の低い口説き文句と囁きが、はっきりと聞こえる。
不器用な男である。
イントネーションから広島あたりから大阪へやって来たようである。

暗がりから手を伸ばす。
慎重に手を伸ばす。
植え込みは、そのベンチを中心にして2つある。
いずれも男の目の死角になっているほうを選ぶ。
女の子は目を閉じたり、少なくとも興奮してくると、どうしても視野が狭くなって安心だから気にする必要はない。

「あかん、あかんてぇ」

私の手は十分すぎるほど熱くなっている。
手袋も保温効果はあるが、ジャンパーのポケットにはいつも使い捨てカイロを入れてあり、それを握って公園で物色するのだ。
手の温度の違いだけは、すぐに女の子にわかってしまう。
以前、植え込みの中に隠れていることがバレて、男に殴られたこともあった。

「あかん、あかん言うてるやんか」

男の愛撫が下手なのであまり感じないでいる様子だった。
その男の背後から温めた手を伸ばし、女の太ももの中に指を這わせる。
彼女は男の膝に乗っている。
男の右腕は女の背中にまわされて支えている。
男の左手は彼女の胸のボタンを外し、ようやくブラの下から少しこぼれた乳首を弄り、舌で舐めるのに夢中だ。
少し開いた太ももの奥がお留守になっている。
そこを植え込みから伸びた手が狙うのである。
男に乳首を乱暴に扱われ、しかも酔っている彼女は、自分の背中が彼の腕で支えられていることを忘れている。
乳首を摘んでいる指、そして股間を弄る指。
手が1つ多い。
しかし幸いなことに気づく気配はまったくなかった。

「ああ・・・ああ」

女は感じ始めた。
男は乳首を吸っているが、まだパンティの中に手を入れる度胸はない。
下着の横から手を入れ、熱く充血した陰唇を指で摘んでほぐし、濡れている粘膜をくすぐり、クリトリスを摘んでは離す愛撫を繰り返す。

「ああ・・・卓ちゃん・・・あああ」

こうして私の指は愛液でグッチョリ濡れそぼり、植え込みの暗がりからたっぷり女のおまんこを弄ることに成功したのである。

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