ロリでオタクな新卒OLの教育係になって・前編

この体験談は約 5 分で読めます。

少し前だが、去年の4月に新入社員が入ってきた。
新卒の22歳、名前はY子。
Y子は見た目若くて、高校生ぐらいにしか見えない。
髪は短くて、背が低くて、メガネで、黒髪で、仕事で失敗すると「きゃぅぅぅぅ~~」とか言う。
どこがってわけじゃないけど、オタクっぽいし、子供っぽい。

で、Y子の面倒を俺(32歳、10年目未婚)が見ることになったわけだが、仕事の筋は割とよく、電話ではオタクっぽいところも出さず、半年後にはそれなりの奴になっていた。
見た目は幼いまんまだったけど。

で、このY子が俺のところに、「あのぉ・・・俺さん、相談があるんですぅ」とやってきた。

「何?」

「あの、ここでは何なので、夜ご飯一緒しませんか?」

まぁ、2人で飯食ったり飲んだりするのは初めてではなかったので、この日も2人で仕事終わりに食事へ。
Y子のチョイスで割とカップルが多めのイタリアンの店へ。
飯を食って、2人ともワインを飲んでほろ酔い。

(そういえばY子って彼氏いないのかな?)

今更のようにふと考えた。
というぐらい、普段俺はY子に対して女を意識していない。

「で、相談って?」

「あのぉ・・・うちの会社って社内恋愛アリなんですか?」

思わず噴いた。
で、セクハラ発言ってことも分かっていたけれど・・・。

「いや、ダメってことはないけど・・・恋人でもできたの?」

「いえ、でも、その、好きな人が」

(もしかして俺か?)

自惚れたつもりはないけど、一瞬、頭をよぎった。
そんな俺の変化を察したのか、否定するように・・・。

「隣のグループのKさんなんですけど・・・」

Kは25歳ぐらいのヒョロリと背の高い優男って感じ。
ゲームとアニメが大好きの男だ。

「へぇ・・・で?告白でもするの?」

「いえ、でも、もっとお話がしたくって」

俺は、正直面倒くさくなっていた。
勝手にしろよ、学生か、と吐き捨てたくなった。

「すみません、俺さんにこんなこと言っても仕方ないですよね・・・」

Y子は下を向いて泣きそうになっている。
こんなことで2人の関係がこじれるのも嫌だし、仕事に支障をきたすのも困る。

「黙っていても何も解決しないよ。さっさと飯でも飲みでも誘いなよ」

みたいなことを言って、その日は別れた。

それからしばらく経ってクリスマスも近くなった頃、Y子も俺も年末らしく忙しい日々を送っていた。
Y子と憧れの先輩K君は、その後特に進展もなく(本人が言ってた)、ちょくちょくご飯なんかは食べに行ってるみたいだが、イブも別に過ごすらしい。

で、クリスマスイブ。
いつも通り、20時頃まで仕事をしていた俺。
周りにはポツポツ残っている奴もいるが、Y子は18時頃に帰っていった。
何年も独り身の俺は、イブも、バレンタインもほとんど意識せず、その日も「あぁ、そうか、イブだったか~」みたいなノリで帰路に。
会社から駅までの道を歩いていると、「俺さ~~~ん!!」と呼ぶ声。
このアニメ声は・・・と思って振り返ると、案の定Y子。

「俺さん、遅くまでお疲れ様ですぅぅ」

「あれ?Y子、飲んでる?」

「はい、飲んでますよぉ~~」

Y子はフリフリな感じのスカートに、これまたフリフリ風のコートで、精一杯って感じのおしゃれをしている。

「今、友達と飲んでたんですけど、俺さんに会いたくて抜けてきちゃいました」

キュンときた。
でも同時に、(コイツ、やべぇ)と思ってしまった。

「はぁ?早く友達んとこ戻ってあげなよ」

「いいんですよぉ~。それより、ご飯まだですか?一緒に行きましょうよ」

俺は複雑な気分になった。
Y子は、Kが好き。
イブは友達と過ごす。
でも、俺と過ごすことになっている。

「イブなのに、なんて言うのは無しですよぉー。何も言わずに付き合ってください」

完全に酔ってハイテンションになってる。
そのまま2人で黙って歩いて、最寄り駅も過ぎてまだ歩いて、30分ぐらい無言のまま歩き続けた。
冬とは言え喉が渇いたので、自販機でコーヒーを買って公園のベンチに座った。
Y子はオレンジジュースを買っていた。
2人でベンチに座って黙って飲んでいたが、Y子が突然、ハラハラと泣きだした。

「・・・」

言葉に詰まる俺。

「す、すみません、ズズズッ」

Y子はメガネを外してハンカチで涙を拭いている。

「どうしたの?」なんて言うのは野暮なんだろうな・・・と思い、前を向いてコーヒーを飲み続けた。

「俺さん、恋愛って、難しいですよね、エヘヘ」

「無理しなくていいぞ。っていうか、1回深呼吸して落ち着け」

変に冷たい言い方になってないか気になったが、後悔しても遅い。
Y子は鼻をズルズル言わせながら、また泣いてしまった。

「俺さん、K先輩のことは諦めました。彼女いました、あの人」

ポツポツ話すのを聞くと、休日はニートみたいな暮らしをしているKには、ニートのような彼女がいて、もう付き合って7年ぐらいになるらしい。
俺は頭の中で、しょーーもな!とか思いつつも、Y子が気の毒になった。

「Y子、そのうちいいやつ見つかるって」と言おうとしたのに、なぜか、「Y子、俺がいるって」と言ってしまった。

言ってから“しまった”と思ったが、時すでに遅し。

「俺さん、今、それ言うのズルいです」

またポロポロと泣きだしてしまった。
言い訳してもまた泣くだろうし、ちょっと放置。
肩ぐらい抱いてあげたらよかったのかもしれないけど、会社の先輩、後輩でそこまでするのもなって思い、寸前でやめておいた。
やがてY子が静かになった。
横目でチラっと見ると、メガネを外したY子はまつ毛が濡れて、妙に大人っぽい。

(このメガネも子供っぽく見せる要因なんだよな・・)

なんて考えながら、「メガネとると大人っぽいな」と冗談っぽく言って和ませようとした。

「すみませんね、普段子供っぽくて」

Y子はほっぺたを膨らませて、そっぽを向いた。

(そういうのが子供っぽいのでは・・・)

という言葉をすんでで飲み込み、「いやいや、十分素敵だと思うよ」と。

(って俺、何言ってんだ。口説いてるのか?)

自分で自分が分からなくなってしまった。
で、何を思ったか、気がついたらY子にキスしてた。
Y子は最初、ビクンと体を固くしたが、次第に体を預けるようにキスに応えてくれた。
実際には10秒にも満たなかったと思うが、唇を離すと、「え、ええー!えええーー!!」と耳まで真っ赤にして騒ぐY子。
こういうとき、どういう顔をしていいか分からず、もう1回、今度は少し強引にY子の唇を自分の唇で挟んだり、唇の端に舌を這わせたりした。

(失恋した女にキスするなんて、俺最低だよな・・・)

とは思いつつも感触が妙に気持ちよくて、何度も唇を重ねた。
Y子は途中から、「ん・・・」とか「ハァハァ・・」と軽く喘いだり、口を少し開けたりして、俺のキスに応えてくれた。
目尻が少し濡れていたので、指で拭き取ってあげた。

家が遠い俺は、そろそろ終電の時間になり、「ごめん、すごくキス気持ちいいんだけど、そろそろ終電だから・・・」と気の利かないセリフを吐いて立ち上がった。
Y子は少し俯いたまま俺の背広の裾を掴んだ。

「もう少しだけ、一緒に・・・」

「いや、でも、もう終電がなくなりそうだから・・・」

「・・・じゃあ、いいです、すみません・・・」

そう呟くY子がとても寂しそうだったので、俺は時計を見て逆算して、「あと5分ぐらいだったら、走れば間に合うか」と、またベンチに座ることにした。
Y子は俺の手を握って指先を見つめている。
なぜかその仕草が、俺のことを愛おしく思っているように思えた。
あっという間に5分が経ち、「もう、ほんとに終電やばいから・・・」と、後ろ髪を引かれる気持ちを振り切って立ち上がると・・・。

「もう少し・・・だめですか?」
「だから終電が・・・」

「待ってる人がいるんですか?」
「・・・いないの知ってて嫌味か?」

「じゃあ、今日だけ一緒に・・・」
「・・・!」

「ダメですか?」

Y子は会社の後輩、Kが好き、でもKには彼女が、一緒にって・・・。
色んな思いが錯綜したが、やっぱりこういうときに手を出すのは反則だろと思い、「じゃあ、一緒にいるけど、絶対手は出さないからね」と自分に言い聞かせるように言った。

<続く>