彼氏持ちの元同級生と憧れのバック・前編

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関西の大学を出て就職した頃のことだから、もう5年以上前になる。
高校は男子校、大学も理系、イベントサークルは馴染めず、大学は武道系の体育会。
女性という生物とはまったく縁のない学生時代の最後に、内定式で行った東京でみんなと別れた後に勇気を振り絞って吉原に行き、5万円で童貞を捨てた俺。

しかし、これからは違う。
なんといっても東京での新生活。
過去の俺を知る者はほとんどいない。
眼鏡をコンタクトに変え、合コンとやらに明け暮れる生活、そんな日々が俺を待っているはずだったのだ。

しかし4月、同期のほとんどが東京や九州、そして神戸といったうちの会社の主要な支店や現場に行くというのに、なぜか俺は京都支社。
それに、バリバリ即戦力の理系の俺が、なぜか営業職・・・。
そんな奴は俺の他には2人くらいしかいない・・・。
研修でヘマをした憶えもない。
落ち込みまくる俺を本社の人事部長が直接部屋に呼んで、こう言った。

「・・・君はうちに久しぶりに来る◯大の××研究室卒業生だ。君にはうちの技術屋がみんな期待して、各部署が取り合いになったんだ。しかし将来、この会社を背負ってもらうには、研究職の君たちにも総合職(文系採用のこと)の連中が何を考え、何をしているのかを肌で感じて欲しい。京都では、うちにしては小さいものしか扱っていないが、元気のある連中や面白い奴らが不思議と集まっている所だ。3年、いや2年で研究所に配属されるまで、“モノを売る”ってことを勉強してくれ」

部長の言うことを丸々信じたわけではないが、かといって会社を辞める勇気もない俺は、まさか戻ると思わなかった京都の街へと戻ってきた。
大阪や神戸にある独身寮みたいなものは規模の小さな京都には当然なく、またこの街で一人暮らしだ。

(こんなの格好悪くて研究室にも顔を出せないよな・・・)

だがしかし、京都営業所は最高に良い職場だった。
俺以外はみんな文系採用、それもほぼ100%体力命の体育会軍団。
高校からずーっと男汁溢れる世界に馴染んできた俺はすんなり溶け込めた。
やり慣れたパシリを嬉々としてこなす俺を先輩も可愛がってくれ、なんとか順調に社会人生活を始めることが出来た。
そんな俺に理不尽な先輩の命令が飛んだ。

「この春入ったうちの新人の受付に、O先輩がお近づきになりたいとおっしゃっている。二等兵のお前のやるべきことは何か?」

「わからないであります。自分は仕事以外で女性と3分以上しゃべるのは不可能であります」

「馬鹿野郎!お前は今日の昼休み、O先輩の為に彼女とその友達、もしくは同僚との飲み会をセッティングするのだ。わかったか!」

「いや、しかし・・・。自分は女性が・・・特に可愛い女性は非常に苦手で・・・」

先輩は俺を睨み、国体相撲成年男子ベスト8の太い腕で俺の頬を掴んで、「わ・か・り・ま・し・た・か?」と低い声でゆっくりと俺に告げた。
俺は首を縦に振りまくった。

その日の昼休み、なぜか他の先輩方が見守る中、俺は先輩に渡されたセリフの書かれた紙を握り、受付の前に立った。
O先輩の好みの新人の子と、横にいる先輩のような女性が俺を怪訝な顔で見た。
俺は先輩に言われた通り、腰を90度の角度で曲げ・・・。

「押忍!自分はこの4月から△△社に入社した森と言います!」

と、ロビー全体に響き渡る声で叫んだ。
先輩方は少し離れたところで腹を抱えて笑っている。
顔を上げてセリフを続けようとした俺に、新人じゃない方の受付のお姉さんが言った。

「森君・・・だよね?T中学の・・・。眼鏡を掛けてないから分からなかった」

俺は予想外のセリフに激しく動揺し、黙って突っ立っていると・・・。

「憶えてないかなあ・・・。中3のT先生のクラスで一緒だったI本・・・I本ナルミ。たぶん話したことはほとんどないと思うけど(笑)」

俺の決死の申し込みは、I本さんと俺が偶然にも中学の同級生ということもあり、見事成功した。
先輩方は俺を褒め讃えてくれ、俺は10年ぶりに会った同級生の女性、しかもかなり可愛い女性と携帯を教え合うという空前絶後の偉業を達成した。

I本さんについて、俺は色々思い出し始めた。
クラスの中でもかなり人気のあった彼女だが、俺の属する集団とはまったく違うグループだった。
どちらかと言うと派手なグループで、仲良くしていた男どものグループも、不良やサッカー部、バスケ部の連中だった。
どちらかと言うと真面目に授業を聞き、制服のカラーを外さず、中間・期末を頑張ってしまう俺から見ると眩しいが、まったく縁のない女の子だった。
なんとか思い出せた彼女との会話は、プリントをまわしてもらうとき、「森、たぶん1枚足りないから取ってきてよ」くらいだった。

中学時代の疎遠さがウソのように、俺とI本さんは親しくなっていった。
俺が一人暮らしをしていることもあり、彼女は気楽に俺の家に電話をしてきた。
彼女も色々懐かしかったのかもしれないが、俺は学生時代からずーっと彼女と親しかったような錯覚に陥るくらいになった。
I本さんは京都の短大を出た後、うちのグループの子会社に入り、それから4年間ずっと受付をしているらしい。
受付や警備などを一括して請け負っている子会社なのだが、仕事もそろそろ飽きてきたと言い、俺の知らない社内情報をグループの垣根を越えて色々教えてくれた。
電話の時間もだんだん長くなり、俺も綺麗な女性と長電話をしている自分を激しく褒めてあげたくなっていた。

社会人になって5月のGWの午前中、I本さんから電話が掛かってきた。

「あ、今大丈夫?連休なのに家にいるの?」

「ま、することないですしね。I本さんこそ旅行とか行かないんですか?」

「うーん・・・。ねえ・・・」

それからしばらく会話を続けていたが、さすがの俺も、(これって誘ってもいいんじゃないか?)と思い始めた。
俺は奇妙な身振りで勇気を鼓舞すると・・・。

「あの、どっか遊び行きたいんですけど、一緒に行くのって嫌ですか?嫌ですよね?そんな暇ないですよね・・・」

と、誘っているのか愚痴をこぼしているのか分からないことをつぶやいた。

「行こう行こう!天気もいいし・・・六甲とか行こうよ!」

俺のマンションまで軽自動車でやってきた。
私服の彼女は初めて見るが、小柄だけど出ているところは出てる体にキャミソールを着てGジャンを羽織り、下はぴっちりとしたジーンズ。
これは可愛い。
顔は当時ビールのポスターが異常に可愛かった井川遥に似ているし、髪型は俺の好きなショートではないものの、肩までのセミロング。
こんな美人が俺とドライブをしてくれるというのに、名神高速を走る車の運転席には彼女が座っていた。
見栄を張って運転席に乗り込んだ俺だったが、大学院卒業時に合宿免許を取りに行って以来初めて握るハンドル。
京都の細い道を脱出することも敵わず、五条の辺りで彼女が笑いながら運転を代わってくれた。
激しく落ち込みながら、甲斐甲斐しくお茶を渡したりCDを変えたりする情けない俺。
しかし彼女は気にする素振りもなく、「運転好きだから気にしないでねー、私の周りの男の人ってみんな車好きな人ばっかりだったからすごい不思議」と笑っていた。

「そうですよね、男は車ですよね」とまた落ち込むと、「あ、そういう意味じゃなくって、私が運転してても勝手に2速に入れたり、車線を変えるタイミングを命令したりする人もいて、それって違うよねーとか思うし、森君も気にしないでね」と優しいお言葉をかけてくださった。

GWなので道は非常に混んでいたが、六甲や摩耶を回り、神戸でご飯を食べ、楽しい1日はあっという間に過ぎていった。

俺とI本さんは色々な話をした。
中学を出てからどうしてたとか、どの学校に行ったとか、会社はどうとか・・・。
彼女が俺を恋愛対象として見ていないことが丸分かりだったので、不思議と俺は緊張せずに話すことが出来た。
まあ世の中の女性はほとんど俺のことを恋愛対象にはしてないわけだから、俺が自意識過剰なだけなのだが。

話をまとめると、彼女には就職してから知り合った彼がいて、どうもその彼氏が乱暴で、彼女を殴ったりするらしい。
彼氏は百貨店関係で働いているらしいが、店の女の子と浮気はするは、責めたら殴るは、職場でも喧嘩はするは、運転に文句はつけるはで色々大変らしい。
彼女は今年に入ってから別れたいと何回も何回も頼んでいるのに別れてくれないらしい。

世の中には俺と違う世界に住んでいる男がいるもんだ。
こんな綺麗な女性を彼女にしておいて殴ったり浮気をするのか・・・。
浮気どころか、女性と付き合ったこともない俺には宇宙人のエピソードにしか聞こえなかった。

情けないことに、帰りは俺のマンションまで送ってもらうことになった。
もちろん俺は必死で断ったのだが、「無理に付き合わせたし送らせてよ、何か自分ことばっか喋っちゃってたし、ごめんね」と言った。
マンションの前で、「ありがとね、久しぶりに楽しかったよ」と車に戻ろうとする彼女に俺は思い切って、「少し休んでいかない?コーヒーでも入れるよ」と、今思えばとんでもないことを切り出した。

(おいおい、大丈夫か俺!)

言ってしまってから激しく後悔していると、「じゃ、少しお邪魔しちゃおっかな」と彼女は車を路駐して俺の部屋に入った。
I本さんはベッドに座ってコーヒーを飲んでいる。

「難しい本がいっぱいあるねー」

「えっと・・・せんべい食べる?食べないよね」

俺は生まれて初めて自分の部屋に女性と2人っきりという状況に追い込まれ、再び襲ってくる女性に対する自分のダメダメなイメージと戦っていた。
モテないくせに惚れっぽい、だからといってまったく行動に移さない俺。
好きな子と同じ一般教養を選び、なるべく離れた席で遠くから見るのが精一杯だった俺。
5万円でステキなお風呂に入ったものの、どうしていいか分からず、勝手に上で腰を動かされて24年間の貞操を捨てた俺・・・。

彼女はそんなことにまったく気付かず、部屋に置いてある賞状や、仕事のマニュアルや、新人歓迎会の写真を興味深げに見ていた。
俺はなるべく距離をとってベッドの端っこに座り、「中学の時に仲良くなりたかったな~」などとアホなことを話しかけたりしていた。

「森君ってさ、頭良かったし真面目だったから、何か近寄りがたかったんだよねー。住む世界が違うって感じで・・・。高校もI高校に行ったでしょ?私なんか大阪の女子高しか受からなかったもんなー」

「いやいや・・・。I本さんは、なんていうか派手なグループでしたよね。AとかSとかとよく話してませんでした?」

「A君かー。懐かしいなあー。少しだけ付き合ってたんだよ」

彼女は笑って、「あのさ、何で敬語なの?」と鋭いことを聞いてきた。

「私、怖い?」

俺は、「いや、怖くはないけど、ほら、社会人の先輩だし、同じビルで働く人間としては・・・」と言いかけると、「でも同じ年でしょ?それにみんな言ってるよ。森は将来本社に帰って偉くなるって」と言うと、「仲良くなれた、嬉しいなー」とつぶやき、「I本でいいよ。それかナルミちゃんとかさ」と俺の顔を見ながら言った。

「ナルミちゃん・・・は無理ですよ」

俺は笑ったが、彼女は、「敬語はやめよ、ね?」と顔を近づいてきた。
そのとき俺の中で何かが弾けて、俺は彼女の肩を掴んでベッドに押し倒した。
彼女はまったく抵抗せずに、押し倒された。

(こんな上手くいくわけがない、何かおかしい)

そう思いつつも俺は彼女のGジャンを脱がし、キャミソールの上から胸を触り、ジーパンに包まれた脚を撫で回した。
彼女は俺のされるがままになって、「電気・・・」と囁いた。

俺は電気を消して、無我夢中で服を脱ぎ、彼女を脱がせ、キスをした。
彼女の唇は柔らかく、体も柔らかく、俺の背中に回った指も柔らかかった。
俺は夢中で彼女の体を弄り、彼女はされるがままになっていた。
時おり小さく喘ぐ声が聞こえて、俺はますます興奮した。

(ゴムだ!ゴムゴム!!)

いつか来るはずのチャンスに備え、サングラスをして薬局で買ったスキンの箱をテーブルから取り出し、俺は死ぬほど焦りながら封を切った。
彼女は裸を布団に隠して俺を見ている。
どんどん焦る俺は必死で付けようとするが、これがなかなか付かない。
焦って買ったのでサイズがまったく合わない。
毛は挟まるし、余分な皮(そう、俺は火星人なのだ)が引っ掛かる。
焦れば焦るほど付かない。

彼女が胸をシーツで隠しながら覗き込み、「そのゴム・・・なんていうか・・・サイズが合ってないから無理じゃないかな・・・」と言った。
俺は真っ赤になって、それでも付けようとしていると・・・。

「ね、今日はたぶん大丈夫だから、最後だけちゃんと注意してくれたらいいから・・・この格好で待ってるの恥ずかしいよ」

そう言って笑うと、俺の手を引いて横になった。
まさに合体直前、彼女は下から俺の目を見つめ、「森君・・・私のこと好き?」といきなり聞いてきた。

「好きじゃなきゃこんなことしません。彼氏に悪いかもしれないけど・・・」

間抜けなことを言うと、彼女は黙って俺に抱きついてきた。

ぬぷ・・・。

俺は彼女の中に突っ込んだ。
彼女が綺麗な眉を少しひそめ、「ゆっくり・・・お願い・・・」と囁く。
俺は焦って動きを止めたが、「大丈夫、でもゆっくり・・・ね?」とさっきまでとはまったく違うトーンで彼女が囁く。
2回目にしては上手く入ったと思うが、想像以上の気持ちよさに俺は我慢できずに腰を動かし始めた。

(“自分でするほうがいい”って言う人がいるけど、そんなの嘘やんか・・・)

俺は無我夢中で腰を振り、形のいい胸にしゃぶりつき、あえなく5分も持たずに限界に達した。

(中学時代には相手にもされなかった子と、今こんなことを・・・)

俺は最高に興奮しながら、なんとか彼女の中から抜き、白いお腹にかなり多くのものを出した。
なんとも言えない気まずい雰囲気。
彼女はシャワーを使って服を着るまでまったく無言だった。

(下手くそすぎるのか?なんで俺なんかとって思ってるのかな・・・)

「あの・・・」

2人の言葉がかぶってしまい、「どうぞどうぞ」「いえ、じゃあ森君から」「いや、I本さんから・・・」とおかしな状況になった。
I本さんは吹き出して、「あのね、初めて2人であってこんなことになって、その、軽蔑してる?彼氏もいるのに」と言った。

俺は首を振り、「なんていうか、その・・・」と答えに困っていると・・・。

「森君と一緒にいると安心するんだよね。とりあえず今日のことは忘れて、これからも時々遊びに行かない?会社で無視しちゃ嫌だよ」

俺はもちろん頷き、彼女の車が見えなくなるまで外で送った。

そのGW、彼女から連絡が来ることはなかった。
久しぶりに会社に出ると、彼女はいつもと同じように、「おはようございます」とブースの中から挨拶した。
モテたこともなく、これといって格好いいわけではない俺のくせに、俺は彼女ときちんと付き合うかどうかは自分でも分からなかった。
彼氏もいるし、今まで暮らしてきた世界も違う。
滅茶苦茶好きなタイプか?と聞かれれば、そうでもない。
そもそも誰かに好きになられた経験がないので、向こうからああいう風に好意を示されると、逆に引いてしまう。
100人が聞いたら100人が、『お前が言うな!100万年早い!』と言われるようなことを俺は考えていた。

<続く>

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