今までありがとう

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今から数年前の話。

自分は22歳、その彼女(茜)は21歳で一個下。
出会いは合コンで彼女の方から自分に話しかけてきて、向こうから告白して付き合い始めた。

彼女は自分には勿体ないほどの可愛い子で、その時通ってた大学ではクラスで一番可愛かったほどだった。
自分はそんなにもてるわけでもなく話しが上手なワケでもない奴だったので、とにかく最初は付き合ってもいいのかどうかすら悩みまくった。

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でも告白してきたのも彼女からだったし、大丈夫かな~と思えるようになったのでそのまま仲良く時にはケンカもしたりして付き合い始めてた。
そしてそれは5年目を迎える少し前に起こった。

茜は自分と付き合ってからは飲み会や合コンなどは一切参加しないで、「彼氏いるから無理なんだ~」って言って俺のことを思って行かないでいてくれた。

そんな茜がある日、明日は会社(そのときはお互いに社会人)で、「大切な飲み会があるから行ってもいい?」って聞いてきた。
いつも飲み会とかには行かないでいてくれてるし、大事な用事みたいだからいいかって思って、心配ながらもOKした。

それが間違いだった・・・。

忘れもしない日。
自分は仕事中だったんで忙しいながらも次の日の為に頑張って仕事していた。
次の日は付き合ってから5年目で、その日にプロポーズしようと思っていた。
その日の為に婚約指輪も買っていた。

とりあえず自分は仕事も終わらせて茜の住んでるマンションに行こうとしたんだけど、今行っても居ないし、待つのもなんだからすぐ目の前にあるコンビニで時間を潰して茜を待つことにした。

待つこと数分、茜から電話が掛かってきた。

茜「今飲み会終わったよ~これから私の家で続きするから!」

俺「マジで~!男とか居ないっしょ?」

茜「大丈夫だよ~女だけでするから!良かったら来る?(笑)」

俺「アホ、行けるか(笑)」

茜「あはは、じゃあちょっくら飲んできます!明日またね♪」

俺「ほーい、二日酔いになってんなよー」

・・・みたいな会話をして切った。

今日は会えないかな~って思ってコンビニで雑誌立ち読みして帰ろうとしたとき、茜のマンションに見たことない車が入っていった。
なんとなく見てると車から男女2人が降りてきた。

その瞬間、自分の目を疑った。
降りてきたのは知らない男2人と、俺と茜の共通の友達(早苗)、そして茜だったから。

茜達はそのまま茜の部屋に行ったみたいだった。
俺はしばらくその場を動けなかった。

なんで茜が?
女だけじゃなかったのか?
なんで嘘ついたんだ?

自分の頭の中はそのことでいっぱいだった。

気付いたら普通に30分くらい経っていた。
胸騒ぎって言うか嫌な予感がしたので、帰るのをやめてコンビニに戻り、そこから茜の部屋を見てることにした。

さらにしばらくしたらマンションから早苗が出てきた。
しかも一人で、カバンも持って。
買い込みならこっちのコンビニに来るはずなのに、明らかに電車の方に向かってる。

俺は早苗にメールしてみた。

『こん~早苗は今なにしてるんー?』

『おす、今は茜の家で飲んでるよ♪このままオールだぁ』

もう早苗の姿は見えない、ホントに帰ったみたいだった。

今までで一番嫌な予感がした。
急いでコンビニを出て茜の部屋までダッシュで向かった。
部屋の前について聞き耳を立ててみる。
なにも聞こえない。

このドアを開けようか迷った。
死ぬほど迷った。
もし、ここで、何かあったら俺は耐えられるのか?

悩んだ末に静かにドアを開けた。

茜の部屋は玄関があって真っ直ぐ行ってちょっと曲がったところにリビングがあって、その廊下の横にトイレと部屋が一つある。
入った瞬間一番聞きたくない声を聞いてしまった。

部屋の奥からは茜の喘ぎ声と男2人のきしょい声が聞こえてた。

「ん・・・あぁ・・・あ・・・」

もう頭の中は真っ白、とりあえずなにも考えたくなかった。
なにも聞きたくなかった。

それでも茜の喘ぎ声は聞こえてくる・・・。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・気持ちイイよぉ・・・」
「茜ちゃんの中もすごいイイよ!もっと締めれない?」

「こう?・・・あん、もっと突いてぇ・・・」
「そうそう、あーすごくいいよー」

「はやくイけよー俺待ってるんだから」
「あぁ!いい!!もっと突いてぇ!」

「やばいって!俺イきそう!中で出していい?」
「ダメ~出来ちゃう!ちゃんと外で出して~!」

もう涙が止まらなかった。
鼻水も気にしないでただずっと玄関に立っていた。

生でやってる・・・。

自分も茜と一緒に測ってたから周期は分かるんだけど、今日は危険日・・・。
どこの誰かと分からない男と生で、しかも3P。

そのあとのことはもう思い出したくもない。
覚えてるのは危険日で生でやってたのと、4回したのと、俺以外の男に「好き」って言ったことだった。

事が終わると男共は帰る支度を始めたらしく出てきそうだったんで俺も急いで部屋から出て近くのコンビニまで駆けこみ、トイレに入って思いっきり大声で泣きました。
どれくらい泣いてたのか、涙も出なくなった時、コンビニのバイトさん(茜とコンビニでゴム買うときにいつもお世話になってた)に、「どうしたんですか?」って心配された。

夜ももう明けてた。

とりあえず居た堪れなくなってコンビニから出ると、彼女からメールを受信してる事に気付いた。

『飲んだ飲んだ~二日酔いになってないか明日が心配f(^_^;)これから寝るよ、オヤスミ♪』

また大声で泣いた。
もう2度と今までの生活が送れないことが分かったから。

静かに彼女の部屋に戻り、中に上がった。
彼女は部屋の方で寝てるらしくリビングの方も真っ暗だった。
静かにリビングに入ってテーブルの上に今日の日の為に買っておいた婚約指輪を置いた。

その横に合い鍵と手紙に『今までありがとう』と書いて置いておいた。
そして散らかってた部屋を片付けて、また静かに茜のマンションから出ていった。

あれから数年、女性不信です。

彼女ともその友達とも、関わりのある人はみんな縁を切りました。
それから色々あってコンビニのバイトさんと付き合ってたりしてますが・・・かなり助けられてます。

彼女からのメールも電話も着信拒否。
仕事も無断欠勤しまくってたらクビになってて、すぐに実家に帰りました・・・。

その後、一回彼女と会いましたけど、浮気がバレてないつもりで嫌がって、軽くビンタしてやりました。
泣いて謝ってたけど、一度失った信用は2度と取り戻せないって思うので、俺も泣きながらちゃんと別れを告げました。

男は仕事の上司らしいです。

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