フェラチオの先にあるもの

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午後の時間、私1人の事務所。
携帯電話を横に置いて待っている、彼からのメール。
3時・・・メールの着信音。

『今日は戻らない。いつもの駐車場で待っている』

そわそわして、5時の定時までが長く感じる。
4時過ぎ、友達のご飯お誘いメールに断りを入れる。
そして家に電話する。
高校2年の息子が出る。

「今日はお友達と会うから少し遅くなるね」

私は一度流産している。
生きていれば彼と同じ年。

「お疲れ様です」

そう言って事務所を出た。
2駅、電車に乗った。
お手洗いでお化粧とグロスのルージュを調える。
駅前の地下駐車場。
彼の車を見つけ、後ろの座席に乗り込む。

「今日も、いい香りがするよ」と彼。

左手を後ろに伸ばし、私の素足の膝頭を撫でる。

夕暮れ時、街から郊外へ出る。
巨大なショッピングモールの駐車場の片隅に車を停め、彼が後部座席に移る。
今日はホワイトデーの前の日。
明日は会えないからと、彼からのプレゼント。
ずっと前から望んでいたもの。
だから耳に穴を開けた。
素敵なピアスを彼がくれた。
そして優しくピアスをつけてくれた。

「すごく似合うよ」

「ありがとう」

彼が抱きしめてくれる。
見つめ合う。

「そのえくぼの虜だよ」

彼がそう言い、私は目を閉じる。
彼の唇が重なる。
グロスルージュがとろけていく。
彼の舌を受け入れる。

彼の腕を取り、モールに入る。
私は1人の女に変化している。
寒い日だった。
膝上のタックスカート。
素足をブーツとソックスでなんとか凌いでいる。
彼の注文のスタイル。
食事をして、コーヒーを飲みながらもう一つのプレゼントだと袋と小さな包みを渡された。

「開けていい?」

「どうかなあ?」

包みを開けてヒヤッとした。
すぐに包みを戻した。

「後で開けるね・・・」

店を出て、人気のないロビーで再び開けた。
中には淡いピンクのパンティとブラ。
私は頬を染めた。
恥ずかしさと嬉しさが混じっていた。

「俺の気持ちだよ。こっちがメイン」

「ありがとうね・・・でもやっぱり恥ずかしい」

彼は私の耳元で囁いた。

「下だけ穿き替えようか」

「え?」

「穿かせてあげる」

「でも・・・どこで?」

彼は私の手を引いた。
階段を下りて障害者用トイレへ。
素早く私を引き込み、ドアをロックする。

「ここなら大丈夫だよ」

「誰か来るよ」

「大丈夫・・・」

彼は優しく私にキスした。
そしてコートを脱がせた。
私の背後に回り、スカートの上からパンティラインをなぞった。

「同じ色じゃないよね?」

「もう・・・本当に?」

彼はスカートの裾から手を入れる。
腿を這い上がり、パンティに触れる。

「脱がせるよ」

パンティを優しく下ろしていく彼。
思わず脚を閉じる私。
パンティが小さく丸まって膝からブーツの足元に脱がされていく。
淡いピンクのパンティをブーツの足元から穿かせていく。
サイズはぴったり。
パンティを受け取り、鞄に入れた。
彼が先に出て私が従った。
無言のままモールを出た。
彼の腕にしがみつき、俯く私。

「こんなの初めて。恥ずかしかった・・・」

彼は笑っている。
苦笑いの私。

車に戻る頃には車も少なくなっている。
後ろの座席で彼の腕の中でじっとしている。

「2人だけの秘密だね」

「まだ恥ずかしいよ・・・」

「会社に着けてくる時は、このピアスだよ」

2人だけの秘密ができた。
彼の指がスカートの裾から入ってくる。
腿を撫で、ゆっくりと這い上がる。
パンティの上からそこを上下に撫でる。
縦のラインに沿って割っていく。

「ああ・・・」

吐息が漏れる。
彼にしがみつく。
彼の指先がそこをいじめる。

「もう・・・ああ、ああ・・・」

「濡れてる・・・」

力がすっかり抜けた私はじっとしている。

「イッた?」

小さく頷くと彼はパンティをそっと下げる。

「拭いてあげるね・・・」

ティッシュでそこを丁寧に拭いてくれる。

「もう、恥ずかしい・・・」

パンティを戻す彼。
私の手を下半身へ導く。
硬く盛り上がっている。
ジッパーを下ろす彼。

「ここで?大丈夫?」

「見えないし、誰も来ないよ」

硬く太いモノに私は触れる。
そして上半身を静める。
唇に先端を含む。
そして口の中に愛しく含み込む。
優しくスロートしてあげる。
彼の息が漏れる。
私の髪を優しく撫でてくれる。
そして彼の声が大きくなる。
喉元で、それを受け止める。
口元を押さえる。
彼に背中を向け、二度三度、喉の奥へ流し込む。

ゴク・・・。

この音、彼に聞こえたかな?

「ありがとうね・・・」

最後の一線は、まだ彼には許していない。
今まで何度か「抱きたい・・・」と口説かれたけど、まだ許していない。
親友にだけ、彼のことを話した。
その親友にも彼がいる。
彼の為にピルを飲んでいる。

「あなたが女でいたいのなら、彼の気持ちに正直に応えるべきよ」

その言葉がいつも蘇ってくる。

帰り道は、ずっと手を繋いでいた。
別れ間際にキスをした。
彼からのピアスは2度、付けて出社した。
彼の視線が気になった。
彼からのメール。

『ありがとう』

彼とはそんな関係。
後は・・・私の覚悟と勇気だけ。

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