女の幸せ

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彼と最初に出会ったのは、3年前。

家に遊びに来ていた高校生の頃。息子の友達で少年そのもの。
彼は、美容師になる夢を持っていて、その頃から息子の髪も切ってくれていました。

息子は地方の大学に進学し、主人も3度目の単身赴任。
月に2回程度しか戻ってこれない距離。

ある日、息子からの電話。

「あいつのモニターになってやって欲しい」

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私の髪を切らして欲しいと息子経由でお願いしたらしい。

でも、大丈夫なのかしら・・・?

その次に日、彼からの電話で「髪を揃える程度の少しだけなら、いいわよ」と返事していました。

息子の友達だし・・・。

何度か、休日に家で揃えてもらいました。
お話しているうちに、彼の夢やしっかりした気持ちを持っていることなんかが見えてきて、いつしか彼を見る目が変化していたのは確かでした。
ひとり家事をしたりぼんやりしている時には、いつも彼のことを考えているようになっていた私・・・。

最近の私はどうかしている・・・
彼は息子の友達・・・でも・・。
大人びた気持ち、体格、男臭さ、優しい心遣いや機転、女の話に付き合ってくれる・・。
料理中に、指先を少し切ってしまった事もありました・・・。

メールのやり取りや、電話でお話しするようになっていた頃。

でも・・だめ・・・。

そんな時、昨年の11月、彼から「どこかに行きませんか?」とメールをもらいました。

それは、デートのお誘いなの・・・?
私は、ひとり少女のようにドキドキした気持ちを高揚させ、赤くなり、胸が苦しくなっていました。

その日、彼は自分の中古車でドライブに連れて行ってくれました。
なぜか新鮮で、息子のことや家庭のことなど、どこかに忘れていた瞬間でした。
ドライブインでお昼を食べ、車の中で彼は自分の女性像を語ってくれました。
年齢は別にして私が彼の未来の理想像であると言ってくれました。

それは、結婚するんだったら、私みたいな人である事だと・・・。

そして、すごく子供が好きであることを語ってくれました。

「自分の子供がいたらなあ・・・」なんて。
「利恵さんなら、いいなあ」なんて。

私は、答えに困りました。

11月、2度目のデート。
地方の街で映画を観ました。
サスペンス映画で、彼は私の手を取り、ずっと握ってくれました。
時折、びっくりするシーンも、彼の手の中で、安心して観れました。
帰り道も、車の中、彼は私と指を絡めずっと手を繋いでくれました。

12月、3度目のデート。
少し早く二人だけでクリスマスをし、小さなケーキを食べました。
彼の車、後部座席。
ショートケーキを食べました。
彼がフォークで私に食べさせてくれたのには、すごく恥ずかしかったけど嬉しかったかな。
私も、彼にフォークで食べさせてあげました。
口周りに残るクリームをティッシュでぬぐいかけた時、彼が私をそっと抱き寄せ、「取ってあげるよ・・」と、唇を重ねてきたのです。

あっという間でした・・・。

彼の唇が重なり、私は力なく彼に抱き寄せられていたのです。
優しく、唇で私の口を綺麗にしてくれました。
口紅まで落ちるくらいに・・・。

彼の腕の中で見つめ合い、無言のままもう一度、抵抗なく彼に唇を奪われていました。

「これからは、名前で呼びたいんだ、いい?」
「うん」

「・・・り・・え」

恥ずかしそうに、彼は私の名前を呼び捨てで読んでくれました。
私は、そっと俯いて少女みたいに赤面していました。
私は彼へ、彼は私へ買っておいたプレゼントをしました。
彼へのマフラーはすごく気に入ってくれました。
私へのプレゼントはピアスでした。

耳にはピアスの穴は開いていないのを知っているくせに・・?

「利恵を一人の女として見ているんだ・・付き合って欲しい」
「・・・」

私は、その日、返事ができませんでした。

気まずいまま、帰路に。
駐車場でお別れする時も、手を小さく振るのが精一杯でした。

年末、彼からのメール。
自分の気持ちをさらに私に力強く告げていました。

1月、彼からのメール。
「会いたい・・・」
彼の気持ちは、私と同じものであることが分かったその日。

「応じてくれるのなら、出てきて欲しい・・・来ないのなら、すっきり諦めます・・・」

そんなメールが私には強く感じていました。

彼の指定した日、月曜日、彼の指定した地下駐車場に、私は向かっていました。
彼の車を見つけ、助手席に入りました。
彼は、私の耳を見ました。
その耳には、彼からのピアスが光っていました。
彼の為に、耳にピアスの穴を開けていた私。
彼は私の気持ちも汲み取ってくれたようです。

私を優しく抱き寄せ、そっとキスしてくれました。

「もう・・・こんな所で」
「嬉しいんだ」

時間の問題でした。
私が、彼の女となり、彼に抱かれる瞬間が・・・自分でもはっきりと分かっていました。

彼の車で、ドライブ。
雪がちらつき加減の寒い日。
私は彼好みの女に変身していました。
膝上のタックフレアスカート、素足にソックスとブーツ。

「寒くない?」

何度も彼が言ってくれました。

その日の約束は、実は他にもありました。
彼が年末、私にもうひとつのプレゼントを用意していたのが、結局私に渡せなかったもの。

地方の街の地下駐車場。
車を停め、後部座席に移り、私を抱き寄せ、私を見つめます。
無言のまま、熱いキス。
彼の腕の中、女として彼を受け入れていました。

「約束だよ・・・」
「でも・・・」

「大丈夫だよ・・」
「もう・・恥ずかしい」と言い、私は顔を手で覆いました。

「行こう・・・」

彼は私の手を引き、車を出ました。

エレベーター横の、トイレ前。
人気ない事を確認してから、彼は私の手を引き、男子個室に連れ込みました。
一度キス。

「いいね・・」
「う・・うん・・」

彼は私の背後に回り、そっとスカートの中に手を入れていく。
思わず、膝や腿をすり合わせる私。
彼の指先がパンティに掛かる。
彼は、本当に優しくゆっくりとパンティを降ろしてくれました。
桃や膝、ブーツから、パンティを脱がせた彼。
そして、彼のもうひとつのプレゼントだったパンティを足首から優しく履かせてくれました。

背後から、「ありがとう・・・」と彼。

私は、両手で顔を隠していました。

デパートめぐり、お茶して夕方、彼は、私を見て頷きました。
私も、小さくコクリと頷きました。

目の前には、ホテルのネオン街。
彼に背中を抱かれ、優しくエスコートされ、アーチをくぐっていました。
彼は、時間をかけ、たっぷりと私を抱いてくれ、女の悦びを与えてくれました。
私が強く反応する場所には、時間をかけ、入念にそこを愛撫してくれました。
彼の舌で、私の中心部分を縦に何度も何度も舌を這わせ、小さなつぼみを口に含み、吸い上げ、舌を伸ばし、中まで入ってきます。
彼の腕を握り締め、爪が食い込むほど強く握り締め、その快感にしたっていた私。

何度か、目の前が真っ白になりました。
ぐったりするほど・・。

そして、彼は、自分のものを固く深く、私の体内深くに挿入したのです。

私は背を反らせ、今までない深さに貫かれたその瞬間を強く感じていました。
子宮の入り口付近に熱いものが放たれた事も体内深くで強く感じました。
彼を強く抱き寄せ、最後の瞬間まで、彼を離さないでいました。

彼を説得するまでには、時間がかかりました。

「あなたには絶対に迷惑はかけないから・・・」

彼は、理解してくれました。

主人との偽行為、息子への説得、色々とありましたが・・・20年ぶりのつわりは、優しいものでした。

一昨日、公園の駐車場。
彼の車の中、私の作ったお弁当を二人で食べながら、彼は私のお腹の膨らみに何度も手で撫でてくれました。

「今朝も病院に行って来て、順調だって」
「うん、良かった・・・まだ、分からないの?」

「どちらでも嬉しいから、楽しみに取っておきましょう」

私達は、見つめ合いました。
母子手帳を見ながら、彼との時間を過ごしました。

車を移動し、人気ない位置に。
お腹が張り出している私に気を使いながらも、彼は、ジーンズのジッパーを下げます。
コクリと頷き、私は、彼の下半身に上体をうずめます。
彼の大きく太いものを口に含み、愛しく優しくスロートしてあげます。

「もう少し我慢してね、安定期に入ったら、私を抱いてくれる?」
「もちろんだよ、利恵」

彼は、私の喉元に、あの日、私の体内深くに放ったのと同じように、大量のものを放ちました。
最後の一滴まで受け止め、私は口元を押さえ、「ゴクリ・・・」喉の奥に飲み込んであげました。
これが今の彼への愛する気持ち。

私の髪を優しく撫でてくれる彼の腕の中、女の幸せをもう一つ、体内に宿しています。

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