新地のちょんの間で初体験・中編

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ガード下に赤提灯の明かりが煌々としている。
客は1人もいないようだった。

「こんばんはー。オッチャン、ラーメン2つとビールちょうだい」

慣れた様子で注文するサチコさんにならって、オレも用意された丸椅子に腰掛けた。

「なんやお姉さん、今日は彼氏と一緒かいな」

ラーメン屋のオヤジのからかいをサチコさんは笑って受け流した。

「そうやでー、可愛いやろ」

まず出てきたビールをコップに注いで、サチコさんはオレに渡した。

「えっ、オレ飲めないっすよ」

「1杯くらいいけるやろ。今日はお兄さんの記念の日やん」

小声でそう囁くサチコさんの顔が屋台の灯りに照らされて、なんとも言えない色香を漂わせているように思えて、オレは1人でドキドキしていた。

「あ、ハイ、いただきます」

自分のぶんを注いだところで、サチコさんはコップをオレのコップにかちんと合わせた。

「はいはい、かんぱーい」

「か、乾杯」

こんな風に女の人とビール飲むってことと、ビールの苦さがなんか大人の世界って感じだった。
あっという間に酔いが回った気がした。
ラーメンも食ったはずだけどあんまり記憶に残っていない。
ビールはコップ2杯ほど飲んだはず。

「男やねんからちゃんと送っていかなあかんやん」

なんかそんなことを言われた気もするが、ちょっと陽気になったサチコさんに言われるまま、オレたちは再び2ケツしていた。
道中、オレはバイクの話ばかりしてた。
当時はバイクブームがレースブームみたいな感じだったので、中型取ったら生駒に走りに行くとか、ツレとレースやりたいとか、何せ16歳のガキがそんな大人の女の人に気の利いたこと言えやしない。
それでもサチコさんはニコニコしながらオレの戯言を聞いてくれたはずだ。
はずだってのは、どんな顔して聞いてくれてたかは2ケツなので分からないから。
5分か10分ほどでサチコさんのアパートに辿り着いて、どうしてそうなったかはよく思い出せないのだが、なぜかオレはサチコさんの部屋に転がり込んでいた。

「泊まるって言うて来たんやったら朝までおりいや」

そんなことを言われた記憶はあるから、親にウソをついて出てきた経緯を知ってサチコさんにそう言ってもらえたのか、オレから泊めてくれって言ったのか。
たぶん前者だろう。
いくら酔ってたとはいえ、そんな大胆なことを口に出来たとも思えない。

サチコさんのアパートは当時にして築何十年だって感じの古いアパートだった。
小さな台所と4畳半の部屋が2間だったかな。
かすかなカビ臭さと、女の人の化粧品の匂いが混じり合ってた。

「散らかってるけどかめへんやろ?」

サチコさんはそう言ったが、むしろ綺麗な部屋だった。

「着替えてくるから、その辺でも座ってテレビでも観ときいな」

そう言うとサチコさんはふすまを閉めて奥の間に消えた。
言われるままに、オレはぺたんと座ってテレビを点ける。
今みたいに深夜まで色々番組がある時代じゃないので、これっていうのがなく、とりあえずやってた天気予報をぼんやり観てた。
しばらくしてサチコさんが戻ってきた。

「タバコ吸うんやったらこれ使い」

あまり使われていないらしいクリスタルの灰皿をサチコさんに差し出されて、オレはサチコさんにしばらく目を奪われた。
白でプリント柄の入った可愛らしいパジャマ姿だった。

「なに?」

オレの視線に軽く赤面したようにも見えるサチコさんが笑った。

「え、あ、いや、なんか可愛くて」

年上の女の人に言うべき褒め言葉じゃないのだが、当時のオレの素直な感想だった。

「なんやの、もう。そんなん言うたって何も出えへんで」

「すみません、あはは」

オレはタバコに火を点けて誤魔化し笑いをした。
視線に困ってなんとなく部屋の中を見回す。
テレビとは反対側に置かれたタンスの上にある写真立てに目が留まった。
たぶん、はっきりと写ってないので分からないが、初期型のRZ250だと思う。
それに跨がるオレと同じくらいの年の奴、そして今よりもずっと明るく、若々しい印象のサチコさん。

「それ弟と私。実家に居るときに撮った写真」

サチコさんの言葉に視線を返す。
なんとも言えない寂しげな笑顔だった。

「RZですやん、すごいなぁ」

「弟も、なんか知らんけど山道とかよう行っとったで。競争みたいなんすんねやろ?『危ないからやめとき』言うても全然聞かへんもんなぁ」

今なら、サチコさんの言葉の裏にある意味を感じ取れたのだろうけど、その時のオレはやっぱガキだったから、そこまで斟酌することなんて出来やしなかった。

「今でも行ってるんですか?峠とか速いんでしょう?」

オレの無神経な質問に、サチコさんはなぜか明るく笑っていた。

「今も行ってるんちゃうかな。めっちゃ走ってるんやろうなぁ」

「えーなー、オレもはよ免許取らな」

無邪気すぎるオレの言葉に、サチコさんの表情がまた寂しげなものに変わっていた。

「免許取るのはええけど、危ないことせんときや」

その表情と真剣な口調にオレはよくわからないまま何かを感じ取り、少し気圧された感じになってしまった。

「・・・それは大丈夫ですよ、無茶とかしませんもん」

一瞬口ごもってからオレがそう言うと、サチコさんは指切りげんまんのポーズをオレに向けてきた。

「ほな私と約束し。指切り・・・。げーんまん、ウソついたら・・・」

サチコさんに合わせてオレも指切りのポーズを取ると小指と小指が絡み合った。

「今度遊びに来ても相手せえへんで」

「えっ、マジっすか」

オレが目を丸くするとサチコさんはぷっと吹き出した。

「あはは、ウソウソ。でも、危ないことはほんまにせんときや」

笑いながらそう言うサチコさんの目が微かに潤んでいるようにも見えた。

「・・・なあ。ちょっとぎゅってさして」

「えっ」

サチコさんがなぜそんなことを言い出したか当時のオレには理解できず、ただ慌てるばかりだった。

「でも、いいんすか、まずいっすよ」

狼狽えて訳の分からないことを言うオレに、サチコさんはクスクスと笑った。

「ほんま可愛いなぁ。弟のこと思い出すわ・・・」

「えっ、あっ・・・」

膝立ちしたサチコさんに抱き締められた。
頭を抱えられ、胸に押しつけられる。

「ヤバイっすよ・・・」

ふくよかな感触と微かに漂う甘い香りに頭が真っ白になる。
顔が熱くなり、自然と汗が噴き出るのを止めることなど出来なかった。

「何がヤバイのん?」

おかしそうにサチコさんはそう言って、オレの頭や髪をその指で撫でつけ始めた。

「弟がな、まだ小さいとき、こうやってよう甘えてきたんや。『姉ちゃん、抱っこして』言うて」

サチコさんの優しい囁き声。
そんな甘い声の響きもそうだが、サチコさんの胸の柔らかな感触にガキのオレの正直な反応が頭をもたげはじめる。

「え、あ、そう、なんすか」

そんなことを言いながらも元気になってしまう下半身のことを、サチコさんに悟られることの方が気になってしまう。

「大きなってから冗談で『抱っこしたろか』言うたらな、今のアンタみたいに顔真っ赤にして嫌がってな。ようおちょくったなぁ」

おろおろするオレを尻目にサチコさんはそう囁いて笑うと、抱き締めていた力を緩め、オレの両肩に手を置いてオレの顔をじっと見つめてきた。

「おちんちん、おっきなったんやろ。ふふ」

笑顔だけど、真剣な視線にオレは目を逸らすことが出来なかった。

「いや、あの、その・・・」

顔から火が出そうってのはまさにこういうことかも知れない。
ストレートなサチコさんの問いにオレは何も言えなくなった。
黙り込んだオレの唇に柔らかな感触が触れるのが分かった。
しっとりとして、そして鼻をくすぐるなんとも甘い香り。
サチコさんがオレにキスしていたのだった。
うっとりと目を閉じるサチコさんの顔。
オレも合わせるように目を閉じ、そしてサチコさんの唇に吸い付いた。
柔らかく、そしてむっちりとしたものがオレの口の中に入ってくる。
合わせるようにオレも自分の舌をそれに絡みつけた。
舌と舌とが触れあい、それに合わせて唾液が混ざり合う心地よさに頭が痺れそうになった。

「大人のキスやで」

照れくさげにそう言ったサチコさんの表情に、オレの中の何かが吹っ飛んでしまった。
いつの間にかオレはサチコさんを押し倒していたのだが、サチコさんは嫌な顔ひとつしなかった。
優しい微かな笑みさえ浮かべて、見下ろすオレをじっと見つめていた。

「・・・」

今度はオレからサチコさんの唇に唇を重ねていた。
そっと触れて、そして優しく吸う。
サチコさんがさっきそうしたように、オレもサチコさんの唇を舌でなぞり、そしてかき分けて差し込んだ。
サチコさんの腕がオレの首に絡みつく。
手のひらがオレの髪をかき分け、撫でる。
それに合わせてオレも舌をくねくねと動かし、サチコさんの口の中をなぞり、掻き回していた。

「んんっ・・・」

微かな呻きが漏れる。
ついさっき童貞を捨てたって言っても、それで劇的にオレの何かが変わるってもんじゃない。
どうしていいか分からぬまま無我夢中で、オレはサチコさんのパジャマの上のボタンを次々と外していった。
全部外し前を肌蹴ると、ぷるんとしたサチコさんの胸がこぼれ出る。
サチコさんはブラを付けていなかったのだ。
さっき一戦交えた時にも見てるはずなのだが、改めて見るとその肌の白さと柔らかな質感を感じて心が震える。

「めっちゃ、きれいですよ」

自然とオレはそんなことを口にしていた。
そして、キスの時と同じように、そっと唇を触れさせ、そしてついばんだ。
はむはむ・・・と唇で優しく噛むようにしてから、赤ちゃんみたいにサチコさんの褐色付いた乳首を舐め、そしてしゃぶって吸う。

「あっ・・・んぅぅ」

サチコさんの吐息が漏れ、身体が微かに伸び上がる。
もちろん、今だからこうやって書けるのだけど、当時はそんなに反応を確かめる余裕なんかない。
右、左って代わりばんこに舐めたり吸ったりするだけだった。
ただ、女性の肌に触れていられるって実感は当時のオレにとってはそれだけでたまらないものだった。
今だったらもっと色々と出来たのだろうけど、おぼつかない手つきで胸を揉みながら乳首に吸い付くので必死だった。

「・・・ね、お布団行って、しよ」

さすがに焦れたらしいサチコさんの言葉に我に返る。

「あ、はい、そうっすね」

それでもサチコさんはあの優しげな微笑みを湛えたままだった。
オレががまだ若かったから許してくれたんだろうと思う。
今なら、そこでおしまいのはず。

襖を開け、奥の部屋に移動する。
簡単に畳まれた布団を広げて、サチコさんはパジャマを脱ぎだした。
オレも慌てて着ていたものを脱いでトランクス1枚になる。

「おいで」

ぺたんと布団の上に女の子座りしたサチコさんが両手を拡げて、オレを招く。

「はい」

身体は興奮して熱くなっていたが、さっきよりは少し冷静になった。
当時はまだAVなんてそうそう観れるもんじゃなかったので、雑誌か何かで覚えた知識を総動員して、オレはサチコさんの身体に挑むことにした。
さっきと同様、胸から責めはじめる。
けど、今度は単調にならぬよう、色々と舐め方や揉み方を変えていく。
ずっと同じ所じゃダメなんだっていうのは、なんとなく分かったので、ぎこちないながらも胸から脇、そしてお腹へと徐々に移動するようにした。
パンツだけになったサチコさんの身体は、むっちりとしていて、とても感動的だった。
オレのぎこちない責めでも、さっきよりはマシになったのか、眉をひそめ身をよじるサチコさんの反応は、少し自信をつけてくれる。

「気持ちいい、ですか?」

ムードもへったくれもないオレの問いに、サチコさんはうっとりと目を閉じたまま頷いて吐息混じりの声を漏らした。

「うん・・・、ええよ、さっきより・・・上手やんか」

当然お世辞に決まっているのだが、その返事に気を良くしたオレは思い切ってサチコさんのパンツに手を掛けていた。
ずらそうとするオレに合わせて、サチコさんも腰を少し浮かせてくれる。
完全に生まれたままの姿にされて、さすがのサチコさんにも微かに緊張した表情になった。

「なんか・・・恥ずかしいわぁ」

そう言って軽く頬を染め、視線を逸らすサチコさんの表情に、なんとも言えぬ艶かしさを感じた。
オレは何も言わずに、膝を立てたままぴったりと閉じられたサチコさんの両脚に手を掛け、じんわりと開いていった。
当時はヘアヌードなんてのも裏本だのビニ本だとかでなきゃ見れないものだから、黒々としたアンダーヘア、そしてくっきりと色づいた裂け目の鮮やかな色につい見惚れてしまった。

「そんなに見やんといて。ほんまに恥ずかしいわ」

目を潤ませたサチコさんの囁きを聞いても、視線を外すことなんかできやしない。

「めっちゃ・・・エッチですもん。もっと見たいです」

欲望に支配され、オレはそんなことを口走っていた。

「ふふ、ええよ・・・こんなおばちゃんのあそこで良かったら見てもええよ」

照れくさそうに笑って言うサチコさん。

「おばちゃんやないですって・・・」

興奮のあまり声がかすれていたのは今でもよく覚えている。
完全にサチコさんの股間に顔を埋めるようにして顔を近づける。
初めてじっくりと生の女性器を見る感動に思わず息を呑んでしまう。

「・・・」

賞賛と興奮、感動を言葉にできず、無言でオレはサチコさんの裂け目をそっと指で拡げていた。
『使い込まれた女性器は黒ずんでいる』なんて与太話に洗脳されていたせいか、意外に色素の薄い印象、そしてしっとりと湿り気を帯びた淫靡な美しさに胸が苦しくなる。
白っぽく光るクリトリスはまだ半ば以上包皮に包み込まれていた。

<続く>

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