怖い話が嫌いなM子

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この間のお盆休みに、大学時代の友人たちと集まって飲んだ。

学生時代のノリで、友人Bのアパートになだれ込み二次会。
この時のメンバーは、部屋主Bと、俺F、女はS子、M子、L子の計五人。

ちなみにM子はBの彼女。
Bには勿体ない可愛い子だ。

Bの部屋で酒盛り、久々だったし話は尽きなかったよ。
どういう流れだったか、怖い話大会になった。
夏だし、お盆だしね。

霊感があると自称するL子はノリノリだった。
ただL子の話は、「人形が空飛んでた」だの、「カラスが笑った」だの、「壁から男が出てきて犯されそうになった」だの、何とも眉唾もんだったが、大の怖がりのM子はこんな話でも嫌らしく、ずっと耳を塞いでいた。

ここで意外な力を発揮したのがS子で、普段は天然入ったちょっと意味不明な子だが、どこで仕入れてきたのか正統派の怖い話で、皆を震えあがらせた。

一方、Bは平気そうな顔をし、時にはちゃちゃを入れたりしてたけど、実はめちゃくちゃ怖がっているのが俺にはよーく分かった。
しかもBの話す怖い話はどこかピントがずれていて、怖いんだか何だか分からない。
空気読めない奴ではあるが。

俺とS子はちらっと目を合わせ苦笑い。
それでもM子は何が何でも聞きたくないようで耳を伏せている。
ただL子だけはBの話に同調し、「うんうん、そうねそうね。分かるわ。ポルターガイストよ」と、のたまっておられた。

ちなみに俺は幽霊なんて本気で信じてないな。
エンターテイメントとしてのオカルトを楽しむタイプ。

で、そんな俺が怖い話する番になったんだけど、俺の話はアレですわ、最後のオチで、「わっ!」と驚かすやつ。

序盤は静かに淡々と話し、中盤で話を盛り上げ皆の気を引き付けておいて、最後オチは突然大声で・・・。

「わっ!!!」と叫んだ。

S子とM子はビクっとしただけだったが、Bには面白いほど効果的だった。

「うわあああっ」と見苦しく叫び、ドテっと腰を抜かし、ひっくり返った。

あまりにBの驚きっぷりが滑稽で、俺は思わず大爆笑。
しばらく笑いが止まらなかった。
S子、M子も引き込まれて笑った。
やっぱりM子には笑った顔がよく似合うな。

L子だけは、「うんうん、オチ読めてたわ。定番ね。はん!」と目を泳がせながら言っていた。

さすがにこの後、Bは終始ムスっとしていた。
ちょっと笑いすぎた。
悪いことしたな。

話題が心霊スポットに及んだとき、Bが急に、「この近くにあるから行こう」と提案してきた。

自称霊媒師のL子だけは大賛成。
S子は「皆が行くなら」と。
俺とM子は反対。
そんな俺をBは挑発する。

「F、ビビッたか?たじろいたか?行かないとは言わせないぞ」

さっき笑われた汚名返上がしたいってところだろうか。
Bを笑い者にした手前、面倒くさいが俺は行かざるを得ないだろう。

そしてBは自分の彼女のM子に対して、「何だM子、行かないのなら、一人でここに残れ」と冷たく言い放つ。

M子は一人で残るのも怖いので、泣く泣く「ついて行く」と言った。
俺はそんなM子が心配だ。
せめて俺がフォローしてあげよう。

近所と言っても歩いて20分くらいはあった。
怪しげな雑木林に一本道。
その道の先にあばら家がある。
雑誌の心霊特集とかでよく載るような所で、俺でも知っている。

「そこで昔、不倫の末、男女が心中したが、女は死に男は生き残ったらしい」と、Bがうんちく語っておりました。

言ってるBが一番ビビってそう。無理すんな。

まあ、そんなのあくまで噂。
ありがちだわな。

先頭に懐中電灯を持ったB、次にL子とS子、最後尾は俺とM子、自然にそんな隊列になった。
M子は俺の腕にしっかり掴まっている。
先頭のBは妙に多弁だ。
怖いのを喋って誤魔化してやがる。

突然、L子が唸るように言った。

「あそこに惨殺された男の子の霊が見えるわ。うんうん。血まみれよ!」

男の子って・・・。
さっきBから聞いたエピソードと違うんだけど・・・。

しばらく行くと急にM子の様子がおかしくなる。
ガタガタと異常に震えだし、目も白目がちだ。
S子もそれに気付き戻ってきた。

BとL子は先へ先へ進む。
俺はS子と二人でM子を抱きかかえ、「おい、B!M子が大変だ。もう引き返そうぜ!」とBを呼んだ。

するとBは戻ってきて、俺に対し「何だ!やっぱり怖いのか!お前、怖がりだな~」と不自然な高笑い。

さっきの仕返しのつもりかよ。
しかしこいつは彼女であるM子に全く目もくれない。
L子は除霊と称して、M子に怪しげなオマジナイをしていた。

(大丈夫か、おい?)

結局はBのアパートへ引き返すことにした。
その帰り道、M子はもうケロっとしていた。

「よく覚えてないけど、寒気がした。もう全然平気」とのこと。

極度の怖がりだから、緊張がピークに達したんだろう。
でもまあ、大事なくてよかった。

Bは不機嫌そうにずかずかと先へ先へと歩いていく。

(何て奴だ。ちょっとは彼女の身を案じろよ)

L子はそんなBに寄り添い、色々と話しかけているようだ。
俺とS子とM子はBたちからちょっと離れて後ろを歩いた。

ふいにM子がボソっと呟いた。

「Bのやつ、ジコチューなんだから。だいっきらい」

そして「バーカ」と声を出さずに、Bの背中へ投げかけた。

「F君のが優しいよ。F君と付き合いたかったな」

そのM子の台詞に俺はドキっとした。

昔、M子と初めて会った時、俺は一目見た瞬間、息を呑んだ。
可愛かったし、あまりに自分のタイプにどんぴしゃだったからだ。

その後、M子と話をするようになって、またまたビックリ。
趣味の共通点も多く、笑いのツボも同じで話が合うのだ。
自然、M子には心惹かれた。

しかし当時、俺には彼女がいた。

そうこうするうちM子はBと付き合いだした。
そして今、俺は彼女と別れ独り身だが、M子はまだBの彼女。
上手くいかないものだ。

横で聞いていたS子はあっさり「付き合えば?」と言ってくれたが、そうも簡単なものではない。

あんなのでもBは親友だ。

さてアパートに戻り、また皆で酒飲んで駄弁る。
なんだかんだで大学時代仲良かった者同士、またすぐに打ち解け盛り上がる。
M子も調子を取り戻し、ころころと笑っている。

(よかった)

そして、結局このまま皆でBの部屋に泊まっていくことになった。

酒のノリで、ジャンケンで寝る場所を決め、L子とS子がベッドで、Bは押し入れ、M子は床。
俺だけ部屋から追い出され、台所で寝ることになった。

(俺だけクーラーの部屋から締め出しかよ)

Bの陰謀だ。
ま、それでも床が冷たくて気持ちよく寝れるさ・・・。
そして皆、いつしか静かに眠りについた。

何時頃だろうか、ガタっという音に目が覚め、目をやると、誰かが横切っていくのが見えた。

「何だトイレか」と、さほど気にすることもなく、また寝入った。

寝ていると今度は何か体に感じる。
誰かに触られているようだ。
その感触で俺は再び目を覚ました。
寝ぼけ眼で見てみると、俺の横に誰か座っている。

それはM子だった。

月明かりに照らされている。
そんなところに人がいることに一瞬ビックリした。
もう一つ驚いたことに、俺の股間をM子は優しげに見つめ、そして愛しげに撫でているではないか。

俺は小声で、「おい」と呼びかけた。

声に気付いたM子はこっちを見て、そしてニコっと微笑んだ。
そして寝ている俺の顔に、M子の顔が覆い被さってきた。
唇と唇が触れる。
M子とキスしてしまった。
最初は軽く、そして徐々にディープへと。
突然で驚きこそあったが、こうなる事に全く抵抗はなかった。

舌と舌が絡み合う。
俺は下からM子を抱きしめた。
気付くとM子は手馴れた手つきで俺のジーンズのベルトを外している。
そして、チャックを下ろす。

唇を離したM子の顔は俺の股間へと移動し、そしてトランクスの上から俺のアソコを軽く口に含んだ。

しばらく勃起したペニスの形を口でなぞるように軽く咥えた後、今度はトランクスをジーンズごと下ろそうとしてくる。
俺は嬉しいながらも、いつものM子と違う大胆さに少々戸惑い、「おい。急にどうした?」とジーンズを押さえながら言った。
するとM子は顔をあげ、人差し指を唇に当てる。

(そうか、隣で皆が寝ている。静かにしなきゃ)

そして起き上がろうとする俺をすっと手で制した。
訴えるような視線だ。

(そのまま寝ててってことなのか?)

M子にはM子の決意があるのだろう。
俺は逆らわないようにした。

M子は俺のジーンズとトランクスを一緒に下ろした。
俺も腰を浮かせて協力した。
ビンっと激しく勃起したペニスが顔を出す。
そしてM子はそれを優しく包み込むように咥える。
亀頭を口に含み、舌でチロチロと先を刺激してきた。

その際、添えていた手でペニスをしごきながら。
そしてペニスのサイドや裏筋にナメクジのように唇を這わす。
俺はあまりの気持ちよさに、思わず声が出そうになった。
ペニスを深く咥えたM子は時に緩やかに、時に激しく、顔を上下させた。

ちゅぽちゅぽとやらしい音が静寂の中に響く。

隣の部屋の誰かが起きてこないか俺はヒヤヒヤしたが、またそのシチュエーションが興奮に繋がったのも事実だ。
俺はM子のショートカットの髪を撫でた。

それにしてもM子のフェラは絶妙で丁寧だ。
これだけでイッてしまいそう。
フェラでこんなのは初めの経験だ。
M子は俺のを咥えながら、スカートの中に手を突っ込み、自分でアソコを弄っているようだ。

普段の明るいM子とは違う淫靡な雰囲気を漂わせている。
これは俺の知らないM子だ。
彼氏しか知らないM子の姿だ。
M子の夜の顔を知ってしまった喜びと同時に、Bに嫉妬した。
ややもするとM子は咥えるのをやめて、立ち上がり、スカートを下ろし、そのまま自らパンティを脱いだ。

俺はずっと仰向けに寝たままそんなM子を見上げていた。
デルタゾーンには余り面積の広くない逆三角形の陰毛がはっきり見える。
M子のアソコをまさかこんな形で見上げる事になろうとは。

そしてM子は俺の上に乗ってくる。
俺のペニスを握り、自分の膣にあてがい、そして愛液を馴染ませるようにぐりぐりと押し付け、そして、ずぶぶ、とゆっくり挿入した。

ゴムなどない。生のM子だ。

M子の中は生温かく、ぬるぬると何かがうごめいているようだ。
M子はきゅっとペニスを締め付けると同時に腰を動かし始めた。
陰毛と陰毛を擦り合わせるように、前後にゆっくりと。
彼女は下半身は裸だが、上はノースリーブのシャツのまま。

その格好でもある意味エロいんだが、やはり上も脱がしたい。
俺は彼女の乳を服の上から揉み、そしてシャツのボタンを一つ一つ外す。
俺がボタンをすべて外すと、M子は腰を動かしながらシャツを脱ぎ捨てた。

肩紐のない白いブラジャー。
いやらしい格好のM子が俺の上にいる。
俺は下から乳を揉みながら、そのブラを上へとずらした。
決して大きくはないが形が良く、張りのある乳房。
そして小さい乳首。

俺はM子の乳首をこりこりと指で弄ったり、下から円を描くように乳房を揉み解した。
じっとりと汗ばんでいる。
M子は声を押し殺し、吐息だけで喘いでいた。
お互い大きな音を立ててはいけないスリル感がたまらなかった。

その間も俺の上で腰を動かすM子、月明かりが妖艶さを増す。
眉間にしわを寄せちょっと悲しげな表情をしていた。
こういう形でしか結ばれることが出来なくて哀しくもあるが、やっと結ばれた嬉しさの方が大きい。
色々気の合うM子と俺だから、セックスの相性だって。

俺はここまでされるがままだったのだが、我慢できなくなり、腰を浮かせ、下から彼女を突き上げた。
M子は上から俺にもたれかかるような体勢になる。
オッパイが俺の胸に押し付けられる。
鼓動が伝わってくるようだ。

そして彼女は俺の肩の手をやり、声を出すのを必死で耐え、「・・・ぅふ・・・ん・・ん・・・ふ・・・」と吐息とも喘ぎ声ともとれないのを口から漏らしている。
俺もフィニッシュが近くなり、「M子・・・うう・・M子・・・」と彼女の名前を小声で囁いた。
その瞬間、彼女の両手が俺の首を締めてきた。

これは、M子のイク時の仕草なのだろうか。

(いや・・・。かなり力が入っている。苦しい・・・)

「・・・かはぁ・・・M子・・・何を・・・」

俺は突き上げていた腰の動きが止まってしまう。
M子は俺の首を締めたまま、ゆっくりと腰をまた動かし始めた。
俺は手を振り払おうにも、何故か体が言うことを聞かない。

(金縛り・・・?)

首を締め続けられ、息が出来ず、段々と意識が遠のく。
頭の中が真っ白になる。
苦しさと、それでいて妙な気持ちよさがあった。
恍惚の中、M子の顔を見上げると、歪んで見える。

いや、そこにいたのは明らかに全くの別人の顔だった。
長い髪を振り乱した女が、恐ろしい目で俺を見下ろしている。
激しく腰を動かしながら、口元がにた~と笑っている。

(誰・・?)

そして俺は突然、快感が花開くのを感じた・・・。
後の記憶はない。

目が覚めたときにはもう朝だった。

(あれ・・・夢?)

Bのニヤついた顔が目に入った。

「やっと起きたか。お前、なんちゅー格好して寝てるんだ」

俺は下半身すっぽんぽんだった。
ジーンズはその辺に脱ぎ散らかしてある。

L子が怪訝そうな顔でチラチラとこっちを見ていた。
S子は俺に背を向け、全くこっちを見ようとしない。

M子が呆れ顔でクスクス笑いながら、「L子ちゃん大丈夫?夜中に変なことされなかった?」と冗談っぽく言った。

「いやああ。F!あんた、まさか、私をぉお!いやあああああ!」

L子が叫んだ。

(おいおい、俺はトドには興味ねえよ・・・)

それにしてもM子・・・。
俺はM子に目で合図を送ってみたが、M子はいつも通りだ。
その態度を見ると、何かを隠しているようには見えない。
覚えてないなんて事もありえないだろう。

(やっぱ夢か)

何故か俺のトランクスはジーンズと一緒のところになく、トイレの窓に引っかかってあった。

(どうしてそんなところに?)

結局、俺は寝ぼけて便所でオナニーしてそのまま寝たとされた。
そんな馬鹿なことがあるのだろうか。
M子の騎乗位の夢を見ながら、寝ぼけてオナニーしてたんだろうか?
最後に見た女は?あれは夢かうつつか・・・。

その後も誰も何も変わりなく日々は過ぎた。
そんなM子がついこの前、妊娠発覚したという。

Bは責任取って結婚するんだとさ。

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