パチ屋でバイトをしていた大学時代の話

この体験談は約 4 分で読めます。

そのパチ屋は客層がなかなか良く、あまり変な事件も起きなかったが、班長は元ヤ◯ザ(太ももに刺青あり、しかし足を洗ったのでとった後が痛々しい)、店長も元ヤ◯ザ。
ただ主任はパンチにはしているが普通のオッサン。

常日頃店長は「客に絡まれてどうしようもなく、客が悪い場合は皆でボコってよし」と言っていた。

そのパチ屋で事件は起こった。
当時は、『アレジン』という一発台が周辺で猛威をふるい、客の金を巻き上げてた。
ただ結構良心的な店の為、半分以上の台は出していた。

そのアレジンに明らかにヤ◯ザと見られる中年の2人が数日遊びに来ていた。
俺はスロット担当だったので現場は見てないが、事件はその中の1人が起こした。

店員が俺のそばに来て、

「あのヤッチャンまた来てるよ。もう10万ぐらい負けてる」

俺はフーンと思ってた。
さすがヤ◯ザよく金持ってるな。

俺がコイン詰まりで呼ばれてる時に、隣のアレジンのシマあたりから「フザケンナこの糞台が!!!!」という罵声と共にガラスの割れる音が。

俺は一体何事?って思ったが、客を放置するわけにもいかないので、気になりつつも仕事を遂行。
俺がコイン詰まりを直してる間に揉める声が隣のシマから。

店員「ちょっと!逃げないで下さい」
ヤ◯ザ「逃げねーよ。早く事務所に連れて行けや」

店員「こっちに来てください」

ようやくコイン詰まりが治ったので俺も隣のシマへ。
アレジンの台のガラスが見事に粉々に。
あたりにもガラスが飛び散っている。

店員の話によると10万以上負けたヤ◯ザさん心底頭に来たらしく、なんと罵声と共に蹴りでアレジンのガラスをぶち壊したらしい。

(拳で壊さないのが利口なところだな。拳だと血出るもんな)
・・・などと不謹慎なことを考えていた俺だが。

数人でガラスを片付け、換わりのガラスを奥から持ってきて取り付け、とりあえず終了。

問題は事務所に連れて行かれたヤ◯ザ。
その日は運悪く、怖い店長はいつもの競馬へ。
もっと怖い班長はお休み。
店で対応するのは気の弱いパンチパーマの主任のみ・・・。
バイトの俺が事務所へ行って主任を助けるわけにもいかず、他の店員も仕事を放置するわけにもいかず、気になりつつも自分の仕事に専念していた。

30分後、ヤ◯ザさんは事務所から出来てきて、そのまま店を出て帰っていった。

俺たち下っ端は当然ヤ◯ザにガラス代を請求し、出入り禁止にしたものと考えていたのだが。
その場に居合わせた従業員の女性に聞いたところ主任は・・・。

主任「こういうことをされては困ります」
ヤ◯ザ「あぁ??お前の店がボッタくるのが悪いんだろうが!」

主任「他の台を見ていただければ分かると思います。出る台は出てます」
ヤ◯ザ「俺の腕が悪いのか!!」

主任「いえ、そうではありません。私あなたの組知っております。組長に連絡しても良いですかね?」
ヤ◯ザ「・・・まぁ今日はもう帰る!!」

そのままヤ◯ザは退場・・・。

主任の大人な対応(そうなのか?)に皆一応納得はしたものの、ガラス代ぐらいは請求しないといかんだろ~~というのが皆の意見。

案の定次の日、店長と班長(班長は立場的には主任より下)が出てきて昨日の状況を報告。
店長と班長は微笑を浮かべながら、「あの組か・・・」と言いつつ従業員を集めて・・・。

「このままヤ◯ザに舐められてたら、店の評判が落ちる。報復してやろう」

バイトの俺だが何故だか班長に気に入れられていた。

「お前も来るよな?」と、微笑と共に言われたら断る術を知らない。

「はい」

どんな報復を考えていたのか、全く知らなかったが、俺はとりあえずついて行くことにした。

目指すヤ◯ザの情報を何処からか仕入れてきて、そいつの車を発見したとの連絡を受け、総勢5名(班長含む)で現場へ。
午後10時過ぎに班長の車に乗り込み、ヤ◯ザがいるパチ屋へ。
(また懲りずに別のパチ屋にいってるヤ◯ザ)

そのパチ屋の駐車場の奥にヤ◯ザの黒ベンツ発見。
班長はトランクから買ったばかりのバット(いつ買ったのだ?)を全員に渡し、

班長「窓ガラスだけ割れよ」

・・・と言い、自らフロントガラスへ一発。

それに続いて俺たちも開始。
5分足らずでベンツのウィンドウは見るも無残な姿に。

班長は店長からの指示でなにやら紙を持参。
それをベンツのフロントに貼り付けた。

「天誅 by◯◯◯◯(バイトしてるパチ屋名」

俺は目が点になった。
ヤヴァイだろ・・・。
まぁやってしまったものはしょうがない。

班長「かえるぞ」
一同「はい」

皆、不思議と妙に落ち着いてパチ屋に戻っていった。
俺は警察に捕まるんじゃないか?と言うのと、報復があるんじゃないか?と心配だったが、結局1ヶ月、2ヶ月過ぎても何も起きず。
班長から聞いたところ、車をボコった後、あちらの組長から店長に電話があった模様。
店長が事情を詳しく説明したところ、組長は激怒!
激怒は問題のヤ◯ザに対して。

後日、組長自ら謝りに来て、問題のヤ◯ザは破門。
そのヤ◯ザがその後どうなったのかは知らない。

こちらがやった報復の鮮やかさに組長は感服していた様子。
パチンコのガラスをぶち壊したので、ベンツのウィンドウをぶち壊した・・・というのが妙に気に入った様子。
これで一件落着。

大学を卒業するまで続けたパチ屋のバイト。
辞めようとすると店長と班長に「正社員にならないか?」と言われたが、さすがに断った。
そんな俺も今では普通のサラリーマン。

でも一番楽しかった時期だったかな。

タイトルとURLをコピーしました