女顔に生まれたばっかりに・後編

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さとみさんは、研修で忙しい毎日だったけど、どんどん綺麗になっていった。
中◯さんのアドバイスで、メイクしたり、髪型を変えたり、コンタクトにしたからだ。
なんとなく、中◯さんがさとみさんを変えていくようで少し複雑だったけど、「ねぇ、変じゃないかなぁ?なんか、私じゃないみたい・・・」と、新しい髪型を気にしながら言ってくるさとみさんは、相変わらずおどおどした感じだった。
見た目が洗練されていくのに対して、中身が変わらないさとみさん。
そんなところが可愛いと思う。
僕は毎日クタクタになりながら看護師の仕事をしていたが、中◯さんが目をかけてくれているので、イジメなんかにあうこともなく順調な日々だった。

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ある日さとみさんに会うと、目が変わっていた。
腫れぼったい一重まぶたのさとみさんが、二重まぶたになっていた。
たったそれだけで驚くほど可愛くなっていて、一瞬声も出なかった。

「ど、どうしたの?」

「ど、どうかな?中◯さんが、メイクでしてくれたんだけど・・・」

「メイクで!?そんな事が出来るの!?」

驚いてそう聞いたが、本当にそういうことのようだ。

「凄く可愛いよ。なんか、印象が全然変わるね」

僕は、本当に驚いていた。
目の印象でこんなにも変わるなんて本当にビックリした。

この日から、さとみさんはちょっとずつ変わっていった。
自信が出てきたというか、表情も明るくなってきて、おどおどした感じが消えていった。
綺麗になっていくさとみさんを見て、嬉しい気持ちと不安な気持ちの二つがあった。
綺麗になったことで僕は捨てられるんじゃないか・・・そんな不安を持ってしまう。
でも、自信に溢れ、綺麗になっていっても、僕への態度は変わらなかった。

「のぞみくん、私の研修が終わったら、一緒に暮らさない?イヤ?」

こんな風に、可愛らしく聞いてくるさとみさん。
僕は正直言って、彼女に学歴も職も身長も負けていると思っていて、すごくコンプレックスを持っている。
いつ捨てられてもおかしくない・・・そんな風に思っているくらいだ。
なので、さとみさんの提案は本当に嬉しい。

中◯さんと3人で食事をしている時のさとみさんの態度も、かなり変わってきた。
恥ずかしがっておどおどしていたさとみさんは、最近では自分から話しかけたり、冗談を言ったりして場を盛り上げるようになった。
ふと気がつくと、中◯さんとさとみの二人で話が盛り上がって、僕が置いてけぼりみたいになることも増えていた。
お世話になりすぎるくらいお世話になっている中◯さんなので、さとみさんと仲良くしててもイヤではないが、少し不安な気持ちにはなる。

中◯さんは、40歳なのにまだ独身だ。
彼女がいるという話も聞いたことがない。
まさかさとみさんを狙ってる?などと思うこともあるが、そういう感じではないみたいだ。
僕は、また置いてきぼりになりそうだったので、中◯さんに話しかけた。

「そういえば、さとみの目のメイクって、凄いですよね!なんか特殊な化粧品なんですか?」

「え?あ、あぁ、それね・・・まだ出回ってないんだけど、そのうち主流になるかもね。さとみちゃんは、目で印象がすごく変わるよね。本当に綺麗だと思うよ」

さとみのことを褒めてもらうと、自分のことのように嬉しくなる。
少しずつ洗練されて美しくなるさとみさん。
僕は幸せだった。

そんなある日、さとみさんから相談を受けた。
地方の系列の病院で3ヶ月ほど研修を受けるという内容だった。
断ることも出来る話だそうだけど、中◯さんがさとみさんの適性にあった技術習得のために考えてくれたことだそうだ。
僕は研修が終わったらすぐに同居するつもりだったので、その前のしばしの別れと思い、その研修に同意した。

実際にそれが始まり、さとみさんと会えなくなると、想像以上に寂しかったが、毎日のようにさとみさんが電話をくれたので、なんとか我慢できた。
僕も、さとみさんが頑張っているのだからと、毎日頑張って仕事をこなした。
中◯さんは気を使ってくれて、よく食事に誘ってくれた。
でも、かなり仲良くなっても不思議だった。
僕やさとみさんのどこがいいのだろう?
年も離れているし、趣味に共通項があるわけでもない。
お金持ちの気まぐれなのかなぁと思いながらも、この状態が続くことを願っていた。

2ヶ月が過ぎ、この生活にも慣れてきた頃、電話で話をしていると、「あと1ヶ月だね。のぞみくんと会うのすごく楽しみだよ!私、頑張って変わったよ!楽しみにしててね!」と、嬉しそうに言ってきた。

「え?変わったって?技術が身についたってこと?」

「え?それもあるけどね。会ってからのお楽しみw」

そう言って、はぐらかされた。
またなにかメイクを変えたり、髪型を変えたりしたのかな?と、想像した。
もうこれ以上綺麗にならなくてもいいのになと思いながらも、楽しみだった。

そして、さとみさんが帰ってくるまで、残り2週間になった。
楽しみでウキウキした毎日だったが、この日も中◯さんに誘われた。

「すごく珍しいモノがあるから、見に来ない?」と、初めて自宅に誘われた。

日頃からどんな凄い部屋に住んでいるのか見てみたいと思っていたので、すぐに行きますと答えた。

そこは、タワーマンションの最上階だった。
しかもそのフロア全部が中◯さんの部屋で、地下の駐車場からの専用の直通エレベーターが繋がっていた。
呆気に取られながら、アメリカのサクセスストーリー系の映画に出てくるような部屋に入り、ただただ緊張していると、中◯さんがドリンクを用意してくれた。

「本当にすごい部屋ですね!夜景とかもハンパないですね!」

僕は田舎者丸出しではしゃぎながら言うと、「ははw広すぎて落ち着かないんだけどね」などと中◯さんが答えた。
でも、その言葉の後の記憶がない・・・。

ふと気がつくと、僕は椅子の上に座っていた。
え?と思って、慌てて立とうとしたら、椅子に縛られていることに気がついた。
それだけじゃなく、僕はほぼ裸だった・・・。
でも、僕の胸にはブラジャーが、下には女性もののショーツが着けられていた・・・。
僕は夢を見ていると思った。
雅治君と付き合っていた頃のことを夢で見ていると思った。
女の子として雅治君に抱かれていた日々・・・その頃の夢だと思っていた。
でも、冷める気配がない。

「あっ!起きたみたいw」

右後方から、さとみさんの声がした。
パニックになりながら振り返ると、髪の毛に違和感を感じた。
長い・・・僕の髪が、肩に届くくらいのセミロングになっている・・・。
それにも驚いていたが、さとみさんの姿を見て、悲鳴を上げそうなほど驚いた。
さとみさんは、茶髪で毛先がクルクルカールしているギャルっぽい髪型になっていた。
メイクもギャルっぽくなっていて、ケバい感じになっていた。
まつげもエクステが付いているのか、黒々とハッキリクッキリしているし、目が妙に大きくなっている感じだった。
そして、シベリアンハスキーかと思うようなカラーコンタクトをしていて、これが一番驚いたのだけど、タバコを吸っていた。
細いタバコを燻らせながら、僕に近づいてくるさとみさん。
着ている服もヘソ出しキャミにホットパンツなので、ギャルそのものだ。
声を聞いていなければ、さとみさんと思わなかったと思う。
それくらい別人状態だった。
そもそもメイクの力なのか?
鼻や目の形も違って見えてしまう。
僕は自分の状態も驚いていたが、さとみさんの姿の方が衝撃だった。

ドッキリ?イタズラ?
まったく意味がわからない。

「さとみちゃん、どうしたの?これ、どういうこと?中◯さんは?」

僕は、一気に聞いた。
さとみさんはニヤニヤするだけで、何も言ってくれない。
それどころかタバコを咥えて美味しそうに吸い込んでいる。
そして白い煙を吐きながら、手に持ったビールを一口飲んだ。
酒もタバコもしないさとみさんが、なぜ?
本当に意味が判らなかった。
よく見ると、さとみさんの耳にはリング状のピアスも付けられているようで、それにもたじろいでしまった。
2ヶ月半前に会った時と、今の状態が違い過ぎる・・・。

すると、中◯さんも部屋に入ってきた。
中◯さんはバスローブ姿で、ワイングラス片手に笑みを浮かべながら僕に近づくと、僕のあごを片手で上げて、いきなりキスをしてきた。
僕は慌てて顔を背けようとしたが、ガッシリとした腕で固定されて、口の中を舌でかき混ぜられた。
さとみさんも見ているという異常な状況なのに、僕の中で眠っていた女の子が一瞬で目覚めてしまった。
そして、強烈に前立腺のあたりが疼き始めてしまった。

すると、いつの間にかすぐ横まで来ていたさとみさんが、僕のショーツの上からペニスを握った。

「あれれ?キスされて、こんなにしちゃってるんだwのぞみちゃん可愛いw」

小馬鹿にしたような口調で言うさとみさん。
いつものさとみさんとは全く違う話し方だ・・・昨日の夜も、電話で話をした。
その時のさとみさんは、いつも通りのちょっと控えめな感じのさとみさんだった。
何一つ、おかしなところは無かったと思う。
そして、中◯さんがキスを解いて僕に笑いながら話しかけてきた。

「ホントに女の子と変わらないなwいや、女の子でもここまで可愛い子は稀だよw」

可愛いと褒められて、雅治君との愛欲の日々を思い出してしまう。
すると、さとみさんがタバコを吸いながら、僕のペニスをギュッと痛いくらいに握りながら・・・。

「ホントだったんだw雅治君の言ってたことwのぞみちゃんは女の子なんだねぇ?」

汚物でも見るような目で言ってきた。
さとみさんの口から雅治君の名前が出て、心臓が止まりそうなほど驚いた。

「な、なんで?どうしてこんな・・・」

僕は、言葉が上手く出てこない・・・。
すると、中◯さんが大きめの手鏡を僕に向けてきた。
そこに映った自分は、長い髪、綺麗にメイクした顔、自分で言うのもおかしいが、本当に可愛い女の子に見えた。
それと同時に、ドキドキしてたまらなくなってきた。
そしてよく自分を見てみると、足や脇など、全ての無駄毛も処理されている。

「なに自分見て興奮してるの?変態・・・」

冷たい目で僕を見て、吐き捨てるように言うさとみさん。
あぁ、終わった・・・僕は、そう思って泣きそうだった。

「でも、ホント可愛いw羨ましいなぁ・・・嫉妬しちゃう・・・」

さとみさんが、真顔で言う。

「大丈夫だよ。次の手術で完成だから。そうなれば、さとみちゃんの方が可愛くなるよ。俺の腕を信じてよw」

「はぁい、信じてます!」

さとみさんは可愛い声でそう言うと、タバコを灰皿に起き、ビールもテーブル置くと、中◯さんに抱きつきキスをした。
ギャルのルックスのさとみさんが、目の前で中◯さんと恋人同士のようなキスを始めた・・・。
さとみさんは僕の方を見つめたまま、中◯さんと濃厚なキスをする。
青い瞳で見つめられながら、そんなものを見せつけられると、どうしていいのかわからずに泣きたくなってきた。

やっと出来た恋人だったさとみさん。
僕は僕の全てを注いでいたつもりだ。
愛していたし結婚するつもりだった。

それが、中◯さんとキスをしている。
背の高い中◯さんとだと、キスしている姿も自然に見える。
僕とキスをするときは、さとみさんの方が少し屈むというか、下を見るような感じになる。
僕は背が低いというコンプレックスで、胸が張り裂けそうになった。

「のぞみちゃん見ててごらんwこれが本物のおチンポだからwこんなの、ちょっと大きめのクリトリスじゃんw」

さとみさんはそんな事を言いながら、僕のペニスをショーツの上から指で弾く。
さとみさんが中◯さんのバスローブを脱がすと、異形のペニスが顔を出した。
中◯さんのそれは、まず単純に大きく長かったが、カリが異様なほど張り出していて、竿の部分にはらせん状にリングのようなモノが浮き出ている。
天井を向くくらいそそり立っているそれは、禍々しいほどの迫力だった。

「凄いでしょwこれ、狂っちゃうんだよwあぁ、だめ、もう入れて下さいぃ・・・我慢できないよぉー」

さとみさんは今まで見たこともないような淫乱な顔でそう言った。
この会話からすでに中◯さんとさとみさんは、深い仲になっているのがわかった。
裏切られたショックも大きいが、あんなモノを入れられたのかと思うと、ちょっと怖くなる。
あんなモノを入れられたら、死んでしまうんではないか?
そう思うくらいの迫力のあるモノだ。

「じゃあ、脱いで見せたあげたら?生まれ変わったさとみをw」

中◯さんがニヤニヤしながら言う。
いつもの、爽やかで温和な中◯さんではなく、嫌な感じの笑い方だ・・・。
さとみさんは可愛らしく返事をすると、僕の目を見つめながら服を脱ぎ始めた。
あっという間にショーツ一枚になったが、胸を見て驚いた。
ペチャパイではないが、貧乳の部類だったさとみさん。
それが巨乳と言えるレベルになっていた。
さっきから着衣のままでもおかしいと思っていたが、その他に驚くことが多すぎて気が回らなかった。
こうやって直接胸を見ると、グラビアアイドルみたいに大きな胸になっている。
どう考えても豊胸手術をしたんだろうけど、違和感がない。
これだけ大きくすると、モロ豊胸という感じになると思うけど、凄く自然だ。
そして左胸の上部には、天使とハートを組み合わせたような図柄のタトゥーまで見える。

「な、それ?」

僕は、失語症にでも罹ったように声も出せない。

「どう?だいぶ自然な感じになってきたけど、まだまだかな?」

「そうだね。あと半年もしたら、ほとんどわからなくなるよ。まだ実験段階の素材だけど、やっぱりこれが究極かな?ハリウッドじゃすでに主流だしね」

中◯さんが研究者の顔で言う。
豊胸手術や、顔の整形手術もショックだが、タトゥーはもっとショックだ。
それだけはダメだと思ってしまう。
整形も豊胸も、言ってみればベースに手を加えるだけで、素材自体は自分のモノだ。
でもタトゥーはまったく何も無いところに、彫り込んで色を付けていくモノだし、日本では反社会的人間の象徴的なモノだ。
あのさとみさんが、タトゥー・・・いや、入れ墨をするなんて、信じられない・・・。

呆気に取られる僕の前で、ショーツにも手をかけたさとみさん。
僕は絶望で血の気が引き、失神しそうだった。
さとみさんのアソコはへアがなく、恥丘の上あたりに薔薇と蝶のタトゥーがある。
そして、アソコのビラビラにはリングピアスがくっついていて、そこからジャラジャラと細い鎖が伸びている。
こんな不可逆的な改造をしてしまって、どうするつもりなんだろう?
取り返しのつかないことをしているとしか思えない・・・。
僕の愛するさとみさん。
大切な恋人で、婚約者でもあった・・・。

裏切られたとかそんな怒りや絶望の感情よりも、さとみさんのその取り返しのつかない体を見て、僕はただただ泣きたくなった。

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