シコタンとオナタン・最終章「運命の一夜・前編」

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運命の日を間近に控えた俺たち姉弟に、ハァハァな展開はしばらくなし。

夏休み終盤には集中講義なるものがあり、姉は普通に学校に通ってた。
電車も学生が夏休みで目立ったラッシュもなく、姉は一人でも平気とのこと。
俺は俺でバイトの時間を増やしたり、部活の合宿などもあったもんで。

口内射精を終えた俺たちの向かう先はもはやエッチしかないと思われたが、微妙な距離感を保ったまま普通の姉弟として数日間を過ごしていた。

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前述した自営業を営む両親の仕事を手伝い小銭を稼ぐなど、意外と働き者の俺。
そんな俺を孝行息子だと、両親ではなくなぜか姉が褒めてくれる。

いや、違うんだ。
家にいると、妙に姉を意識してしまい胸が苦しくて。

悶々ハァハァとしていたのもあったが、ダルの存在が気になってた。

初めて姉に見えた異性の影。
いやこれまでだって言い寄ってくる男なんて数え切れないほどいたはずだろうけど、俺はその頃ただの弟だったわけで。
・・・いや今もただの弟だけど、変態度はかなりレベルUP。
姉にちょくちょくメールを送ってきてるであろうダルがウザくてウザくてさ。
本来ならば一緒に喜んで祝福してあげても良いであろう立場なのに、スゴく嫌な弟だと思ったし、人間としてどうなのよって思っていた。
だから出来るだけ家で過ごす時間を減らしていたんだ。

そんな感じで、姉との距離をちょっと置いてた。

その日も俺はバイトを終え、直帰せずに両親の職場へ。
小難しいことはわからないんで、肉体労働ってことで倉庫にある大量のダンボールを仕分けたりと汗を流した。
辺りが夕闇に染まる頃を見計らって家に帰り着く。

俺の部屋に明かりが灯ってる。
俺が不在のときでも俺の部屋で勉強してるのか?と思いつつ部屋へ。

「おかえり」

姉が当たり前のように俺のエロ本を読んでいて萎えた。

「ただいま」

冷静に返したものの、隠し場所を変えたはずのエロ本がすでに発見されていてムカついた。
まぁそんなの日常茶飯事なんで軽くスルー。
とりあえずシャワーでも浴びてこようかと思っていると・・・。

「ダル君からデートにしつこく誘われているんですが?」と、話題をふってくる姉。

それこそ軽くスルーすればいいものを、一瞬動きが止まる俺。

「あ、そ、そうぁんだ、い、いいんjyないかな」

噛み噛みで挙動不審すぎ、やっとの思いで次の言葉を口にする。

「べ、別にそんなのワザワザ・・・俺に言わなくても・・・いいかr」

姉に背を向け、出来る限り“興味無いぜ”的な雰囲気を装う。

「なんか予想通り過ぎる反応なんだけど」

背後で姉が失笑しているのは想像がついていた。
普段はトボケてはいるが、基本鋭いからね、肝心なとこは見逃さない。
俺の最近の気持ちの揺らぎなどとっくにお見通しってこった。

「最近新しいエッチな本は買ってないようですねw」

お?話題を一旦逸らしてきやがったか。
俺もさっきの噛み噛みのカッコワルイ俺を消去しようと話題に乗る。

「ええまぁ、目の前にリアルエロ本がいるもんでw」

姉はちょっと胸元を気にしたのか、体育座りに姿勢を変えた。
そんな仕草もいつもの姉とは違って見えた。
なにか重要なことを今から言われる覚悟は出来ていた。

「ダル君のこと・・・嫌い?」

ほほう、話題を逸らしつつ、一気に攻めて来ましたな。

話題は核心へと迫りつつある。
俺はこのとき姉が「ダルと付き合うよ」って言い出すと思ってて、仕事中にかいた汗とは違う種類の汗が全身から噴き出してた。

まぁ弟と一時ヘンテコな関係になってしまったが、ダルの出現で正気に戻ったってことなんだろう。
わだかまりは残すまいと、精一杯俺を気遣ってくれているはず。
たぶん誰もが選びたくなるような男なんだ、纏うオーラが違ってた。
まして、この姉様が選ぶというのなら、間違いない男なのだろうと確信。

「嫌いだって思うほど彼のことを知らない、けど今のとこ好きでもない」

俺も姉を元のレールへと戻そうと精一杯の言葉を口にする。
今は好きじゃないけど、姉が選んだ男なら俺もいつか好きになれるように努力するよ、って自分の気持ちを整理してた。
事実上の決別宣言だった。

「あら奇遇、お姉ちゃんも好きじゃない」

「え?」

「ただお姉ちゃんの場合は、嫌いだって思うほど彼のことを知りたくもない、なんだけどね」

さっき俺が言ったセリフを引用して、姉はサラリと言ってのけた。

オマエ、オレガ、ドンダケ、ココスウジツカン、ナヤンダトオモッテイルノカ!!!

「ヤキモチ妬いてた?ねぇ?やいてた?w」
「・・・」

「妬いてたって言えw」
「・・・」

姉は満足そうな顔を浮かべてて、俺は不満と不安で一杯だった。

「っていうか!!!」

ありったけの質問をぶつけてみる。

「お、俺が、もしヤキモチ妬いてたとして!も、も、もし妬いてたとしてだ!」

「うんうん」

姉は興味津々といった感じで俺の次の言葉を待っている、ムカー!!!

「それって弟としてどうなの?姉に彼氏できましたハイおめでとうって思えずにイライラしちゃったりしてる弟ってどうなのよ?あ?」

「彼氏できてませんけど?」
「・・・んぐぅ、も、もし仮に出来たとしてだ、これから先出来たとしたら!?」

「出来たとしたら?」
「・・・」

「ヤキモチ妬くって言え」
「だかr、ヤキモチ妬く弟ってどうなのvんsd;l!?」

「妬くって言え」
「妬く」

完全に姉のペース。
っていうか、ダルに嫉妬してるって知ってて言わせるのやめて。

「可愛いじゃん、実の姉に言い寄ってきた男に嫉妬する弟なんて」
「妬いてねーし・・・」

「最近のシコタンはずぅっとそんな感じで可愛かったじゃん?」
「・・・妬いてねーし」

いやもう手遅れ、今更否定したって仕方ない。
考えてみたら手コキの夜に、好きって伝えてるようなもんだし。

「恋愛感情は錯覚だって否定したくせに・・・」

「アレはアレ、ソレはソレ、コレはコレ」

もうわけわかんねーし、いや元々ワケのわからん姉ではあるんだが。

「どうやって上手に断るか、シコタンに相談にきたんだってば」

俺の妄想が暴走を呼び、ようやく本題に辿り着いた模様。
人を好きになるって色々と面倒臭いものだと改めて気付く。
それが実の姉ならなおさらか。

それから姉と一緒にダルビッシュ対策を練った。
姉はメールのやり取りとか一部始終見せてくれて、俺は唖然とした。
ダルは文面はチャラいけど、姉に対して真剣だってのは伝わってきた。
そんなダルに対していつも姉は多くて2行、ほとんど1行の返信だった。
顔文字とか絵文字とかまるで無し。

ダル乙、そして第五章スタートです・・・。

ダルの何がダメだったのか聞いてみる。
きっと姉に手を焼いたに違いない。
さっきまであんなに毛嫌いしていた男も今では戦友である。

「うーん、ほっといても一人で何でも出来そうな感じがイヤ」軽いジャブ。

「今まで女に不自由したことありません、みたいなとこもイヤ」右ストレート。

「最終的に女子アナみたいな人を選んで結婚しそうでイヤ」強烈なアッパー。

「何もかもがシコタンと正反対なタイプだったよね」カウンター炸裂。

最後は俺にとばっちり。
戦友よ、俺も姉には手を焼いています。

結局のとこ「興味が無いの」と必殺技を繰り出す姉。

『今は大学受験に専念したいので、誰かと交際とか考えられません』ってことにしようか、うんそうしよう、ってことになった。

「お気持ちは嬉しいのですが」とか「これからも野球ガンバッテ」とか、なぜか俺が文章を膨らませる係。

「あ、それいいね、採用!」とか「さすがシコタン、さすが!」とか、相槌うちながら姉はお菓子をムシャムシャ食べる係。

っておい!

「ちょっとは自分で考えろよ!」

「無理無理wそういうの苦手wそれにほら、お姉ちゃん知らず知らずのうちに人を傷つけるからw」

いやいや笑い事じゃない、極めて正確な自己分析ですよ。
貴女の無邪気さ、およびクールさは、ときに暴力的なほど人を傷つける。

「将来旦那さんになる人は絶対苦労しそうだよねw」

何気なくツイート。

「その点シコタンはお姉ちゃんと結婚できないからラッキーですねw」

すぐさまフォロワーきたわぁ。

いや、アンラッキーなんですけどね。
そういうのが知らず知らずのうちに人を傷つけ・・・(ry
俺の気持ちをわかってての冗談なのか、よくわからん。

今までとは比べ物にならない8行くらいのメールが完成。
姉は確認後にダル宛に送信したようだ。
しばらくお菓子をムシャムシャしながら待ったが、ダルから即返信はなかった。
そりゃまぁせっかく届いた長いメールなのに、内容がアレじゃ泣くわ。

「メルアド変えようか」とか姉が言い出す。

いやいや、そういうのが知らず知らずのうちに人を傷つけ・・・(ry

「だって返信とかまた来るじゃん、そしたらまたシコタン冷たくなるじゃんw」

俺の気持ちをわかってての冗談なのか、よくわからん。

「んじゃ、もしこれからもメールがきたとしてもヤキモチ妬かない?」

「はいはい」

そこはもう大丈夫っぽい。
感情の種類はどうあれ、とりあえず『俺>ダル』なのはわかった気がしたから。
少なくとも俺宛の姉メールは、絵文字がイパーイだし(え?そこ?)

両親が帰ってきていたようで、姉が夕飯の支度の手伝いに呼ばれた。

「シコタンってお姉ちゃんのこと大好きなんでしょ?w」

またもや去り際にちょっかい出しましたって感じで微笑んで、姉は部屋を出て行った。
俺の気持ちをわかってての冗談なのか、よくわからん。

なんだかんだで運命の一夜を迎える。

早めの夕食を済ませ、姉の指示で戸締まりと火の元を確認。
姉がシャワーを浴びてる間に、俺は部屋に戻る。
誰にも咎められることなく堂々とタバコを吸える環境を幸せに思う。

2、3本吸い終えた頃に姉が部屋へとやってくる。
ドキッとしたのは、タバコを咎められると思ったからだけではない。
ちょっとコンパクトなTシャツで、姉の体のラインがいつもよりヤバい。

「またタバコ吸ってるし・・・」

「別にいいじゃん、今夜は特別ってことで」

そう答えながら視線を外すと、『今夜は特別』という言葉を重く感じた。

両親が留守ってこともあってか、2人とも結構テンションが高かった。
修学旅行の夜、先生たちの目を盗んで皆でコッソリと一部屋に集まり怪談話に興じているような、そんな雰囲気があった。

気付くと普段ならもう寝ている時間。
俺は夏休みの課題もおおよそ片付いて、ベッドに寝転んでマンガ本。
姉もそのうち眠くなったら自分の部屋に戻るだろ、くらいの気持ち。
まぁその前に、ちょこっとチンポ弄ってください、くらいの気持ちはあったけど。

姉もさすがに勉強に疲れたのか、立ち上がって伸びをした。
ヘソチラがちょっと刺激的である。
それから近づいてきて、うつ伏せ状態の俺に馬乗りに跨がってきた。
なんか久しぶりに姉と体が触れ合い、ドキドキした。

背中をグイグイ押される。

「お客さん、だいぶ凝ってますね」

姉はまだ自分の部屋に戻る気はないらしい。
今なら言えると思って、「キスしたい」って言ってみた。

次の瞬間、空気が凍りついた。
どうやらこのセリフは勘の鋭い姉にも想定外だったらしい。
ちょっとした沈黙のあと・・・。

「ハミガキしてきて」って背中越しに聞こえて、金縛りの解けた姉が俺の上から降りた。

部屋から出ようとしたとき、姉から再び声を掛けられた。

「シャワーも浴びてきて」

振り向いたらベッドに腰掛ける姉の足がパタパタしてた。

シャワー浴びながら歯を磨き、歯を磨きながらシャワーを浴びた。
そしてキスのことを考え、数パターンのイメトレをこなす。
リアリティが湧かないけど、とりあえず念入りにチンポを洗った。
このときはまだ、ただなんとなくフェラに備えたつもりだった。

浴室を出ると洗面所でハミガキをする姉と鉢合わせ。
もう何度もチンポなんぞ見られているのに、なぜか風呂上がりは隠したくなる。
鏡越しに目が合った姉は、そんな俺を不思議そうに見ていた。
なぜかいつもよりも大人っぽく見えた。

寝巻き代わりのTシャツとハーフパンツ(ノーパン)で部屋に戻る。

姉が部屋に居なかったので、ベッドに寝転んで待つ。
出来るだけ自然な感じに、さきほどと同じ体勢、同じシチュになりたかった。
その淡い期待はすぐに裏切られる。

部屋に入ってきた姉は、「恥ずかしいから電気は消します」と宣言。

月明かりは互いの存在をわずかに確認できるくらいに室内を照らす。
寝転ぶ俺の隣に身を寄せてきた姉が俺の首に腕を巻きつけてきた。
緊張する間もないままクチビルが重なってた。
最初は本当にちょっとだけ触れる程度、二度目にちょっと強めに押し当てられて、三度目にお互い少し口を開いて舌先が触れ合った。
まだディープキスとも呼べない稚拙なものだったけど。

たぶんキスするタイミングを俺に委ねられてたら、夜が明けてたと思う。
お互いに見つめ合って、雰囲気がこれ以上ないくらいに盛り上がって、だんだん顔が近づいて、どちらからともなく目を閉じて、そして・・・。
そんなしょぼいイメトレしか出来てなかったから。
おそらくそんな童貞の妄想を実践しようものなら、「シコタン鼻毛出てるよ」とか一生トラウマになるような仕打ちが待っていたに違いない。

姉がチョイスしたちょっと強引なキスでおそらく正解。
そんな冒険染みた選択肢を選べるわけもない俺は流れに身を任せるしかなかった。

耳元に心臓が移動してきたみたいに、ドンっ!ドンっ!て鼓動が高鳴っているのがわかった。
俺の腕も自然に姉の腰に回されてて、自分でもスゲェと思った。
なんか知らないけど気付いたらガッチリ抱き合っててビビッた。

姉の呼吸が乱れているのに気付いて、俺は目を開けてすぐ目の前にある姉の顔を確認した。
暗さに目も慣れたのか、わりとハッキリと表情が見て取れた。
『女』って感じで艶っぽく、今まで見たことがない姉がいた。

気配に気付いたのか姉も目を開け、目が合った。

「目ぇ・・・閉じてよぉ・・・」って言われた、いや、せがまれたって感じだった。

「目・・・閉じてってば・・・」

姉がクチビルを軽く含んだまま話すから、言葉が口腔を通って頭に直接響いてきた感じがした。
目がトローンとしていて、こういうのを恍惚の表情というのだろう。
おそらく姉がこんな表情になったのは生まれて初めてのはず。
そしてそれを初めて見たのが俺だということにすごく満足感を得た。

再び目を閉じた。
お互いハミガキしたばかりってのもあってか、積極的に舌を伸ばし、そして絡め合った。
上手なキスってのがどんなんか分かるわけもなく、とにかく夢中で余裕がなかった。
でもそれが逆に本能で求め合ってる感じがして俺は好きだなって思った。
男と女がなぜキスをしたいと思うのか、謎が解けた気がした。

気付いたらディープキスになっていて、お互いにファーストキスであったはずなのだが感慨深さはそれほど感じなかった。
ファーストキスの甘酸っぱい思い出など皆無、もうベロベロチューって感じ。
下品な言い方だけど“美味い!”って思った。
これまた下品な言い方だけど、さんざん貪り尽くしたあとは“ごちそうさまでした!”って思った。
これがリアルな感想だったんだ、すまん。

それから俺は姉の胸に顔を埋めた。
いつも抱き枕にやってるみたいにしがみついてみた。
ぷくぷくほわわんって感じでイイ匂いもした。

姉がギューってしてきて、窒息した。
大袈裟にプハーって苦しそうにしたら、姉は嬉しそうにしてた。

「なんかすげー落ち着く」

ほっぺたとおっぱいをくっつけながら素直な感想を述べてみる。

「あーその気持ちわかるっ!!!」って姉が答える、何か発見しましたって感じ。

「たぶんお姉ちゃんがシコタンのちんちん触ってるときと同じ気持ちぃ」

これは共感できる部分が多かった、瞬時に理解できた。

まだあまりエロい気持ちは起こってない。
キスを終えて、張り詰めた緊張感が緩んだ感じ。
今はただ顔全体で姉のおっぱいの感触を確かめていればそれで良かった。

顔でポインポインしてるときにちょっとした突起の存在はほっぺたで感じてた。
柔らかなカーブを描く丸みの先端、Tシャツ越しにもわかるツンっとしたもの。
半開きのクチビルをゆっくりと近づけてハムッてTシャツごと口に含む。

その瞬間、電気ショック!

ビクンとなった姉、ビックリした表情で口はポカーン。
二度目のハムッでまたもや肩を震わせ、目をパチクリ。
良いリアクションするなぁと思いながら三度目のハムっで「ヒゃんっ!」って悲鳴に近い声が部屋に響いた。

「・・・お姉ちゃんで遊ぶなっ」って真っ赤な顔して言われた、けど無視。

ハムハム、ハムハムハム、ハムっの連続攻撃。

「ぁんッアン・・・ァァあァムウゥんあん・・・ヒゃんっ!」

小休止して様子を窺う。
ビクンビクンし終わって息を弾ませる姉からスゴク小さい声で「スケベ・・・」と言われた。

その言葉を聴いた瞬間、俺の中で何かが弾けた。
ああ俺はコイツとヤリたいんだって思った。
決して思い出したわけじゃない、今、まさに今、思ったんだ。
体中の血液が沸騰しているかのような感覚に襲われた。

なんか性欲まみれでどうしようもない弟だと思ってた。
たぶん相手は誰でもよくて、たまたま今は姉とそうなりそうなだけ。
そう思ってたんだ。

でも違ってた。

誰でもよいわけじゃない。
俺はコイツじゃないとダメだと思った。
今、目の前にいるこのヒトだからこそヤリたいんだと気付いた。

そう思ったら、愛しくて触れたくて。
目の前にある膨らみも、Tシャツ越しなんかじゃなく、その正体が知りたいと思った。

すげぇ姉の視線を気にしながら、Tシャツをちょっとずつ捲った。
へそ、お腹、下乳が見えたあたりでチラッと姉の表情を見た。
なんか超真顔で俺のことを見つめていた。
下乳、お腹、へその順番で上手にTシャツを元通りに下ろした。
ヘタレ童貞の真価発揮w
姉も面白かったらしく、ケラケラ笑ってた。

数秒間を置いて、「見てもいい・・・?」ってお伺いを立てた。

「見るだけね」って、姉は片方の眉をあげて意地悪そうに言った。

背中のほうも捲りながら、今度はズバッと一気にいった。

(ちょ、なにこれ、グラビアおっぱい・・・)

ひんぬー好きが巨乳の虜に生まれ変わった瞬間だった。

ちょっと呆気に取られて見惚れていると、「しまいまーす♪」って、姉が今度は明らかに意地悪な感じで言う。
そうはさせるかとまた抱き枕同然にしがみついた。

ノーブラで生活する姉とは、長い間一緒に過ごしてはいたけど、まさかこんな破壊力抜群なモノを隠し持っているとは思ってもいなかった。
姉がじっと大人しくしているので、目の前にあった乳首をいきなり吸ってみる。
予想以上にチュパッって音がして、これまた予想以上に姉が仰け反った。

今ならもっと焦らし焦らされの駆け引きを楽しめるのだろうけど、当時の俺にはそんなスキルがあるわけもない。
“目の前に山があるから登ったれ”的なことしか出来なかった。

舌先で乳首をコロコロ転がす、円を描いたり、逆回転にしてみたり。
やってる俺は半信半疑。
こんなんで良いのだろうかって不安を、姉の反応がすぐさま打ち消してくれるんだ。

<続く>

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