たぶんM。でも・・・後編

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それから、彼とのこと、男性経験、私がどうされるのが好きか白状させられました。

過去の経験を聞かれることは、誰でもあると思います。
新しい人に元カレのことを聞かれても、それまでは『嫉妬されたらやだな』くらいにしか思わなかったです。
でも、浮気相手に現在進行形の恋人との営みを問いただされるのは、恥ずかしいのと後ろめたさが綯い交ぜになって、この時間が一番精神的に辛かった。

特に男の人のアレを飲んだことがあるか、執拗に聞かれました。
私に飲ませたいんだ、って思った。

「私がイヤだと思うことはしないで」とお願いしたら、「“絶対イヤ”ってことを教えてくれたら、それはしない」って約束してくれた。

「もう出したい」って、後ろ向きにされて、激しく揺さぶられ、Kさんも昇りつめました。

またベッドへ移動しました。

今度は、私もKさんの愛撫に自然に応えました。
Kさんの股間に手を伸ばして、いつの間にか互いの大事な部分を愛し合う形になってた。

長い間、無言でそれぞれを味わって。

やがて指と舌で追い立てられ、我慢できずに、私の方から「欲しい」と口にしてしまった。

「素直になったね」

優しくキスしてくれるKさんを迎えて、疼いた部分を深く埋めてもらいました。

またスローテンポのSEX。
お互いを会話と行為で確かめ合うのが心地いい。

「髪、触ってばかりいる」
「好きなんだよ。いい匂いするし」

「髪フェチ?」
「だね」

「お尻とスーツもフェチ?」
「スーツってか、着てすると萌える」

「コスプレ好きなんだ」
「仕事の時のままの◯◯さんがフェラしてて興奮した」

「・・・あれは意地悪すぎ」
「あのまま口の中に出したかったな」

「ほんとは、あたしに飲んで欲しかったんでしょ」

悪気はなかったのだけど、Kさんはムッとした様子で、「今度、飲ませる」って。
私は「いや。絶対」と、かぶりを振った。

“今度”ってことは、これで終わりにしないつもりなんだと思った。

Kさんは心の中を見透かされて怒ったのか、意地悪モードになってきて。
アレを引き抜いて、また入れてくる。

「入る瞬間、すごくいい顔する」って。

何度も何度も繰り返された。

「遊んじゃダメ」

そう言っても止めてくれない。

「可愛いのが悪いだろ」って。

ゆっくり侵入してきたり、入って来なかったり、あてがったところから一気に突き刺してきたり。

焦れったくって泣きそうになってきて。
気がついたら、「抜かないで。そのままして」って、お願いしてた。

「また俺の前で“イキ顔”晒したいの?」

強烈な一言でした。
言われた瞬間、全身に怖気が走った。
このときは絶対忘れられないです。
Kさんが動き出したら、頭の中が真っ白になった。

「今度は誤魔化せないよ」と言われました。

「調教されてる気分はどう?」
「調教なんて、そんなこと・・」

「誰が見たって調教中だろ」

“カラダの相性”とかよく言うけど、確かにそれはあるのかも。
自分のMっけは分かっていたけど、こんな感じでいじめられると我を忘れてしまうのだと、はっきり気づいてしまった。

『この関係に溺れたらヤバイ』と何度も脳裏をよぎっては、快感に打ち消される。
やたらと激しくして来ない焦れったさにハマってる。

「いいの・・・当たる」

「◯◯君のより大きいから当たるんだよ」
「・・・」

「大きくないの?」
「・・・大きいかも」

「大きいの好き?」
「わかんない、そんなの」

「わからないのにいいんだ?」
「あたしが彼女じゃないから、いじめるんでしょ」

「彼女にしたら、もっといじめる」

私からキス。
キスしてる間は意地悪言われないから。

たまに重たくピストンされて、泣かされる。
そんなことの繰り返し。
昇りつめたくなってきてるのに、焦れた動きで高まったままが続いてる。

ついに理性の糸が切れてしまって・・・。

「あたし、ダメになりそう」
「イキたいの?」

はっきり口にしたくはなかったので、「辛い」か「限界」か、そんなことを伝えた気がする。

「じゃ、終わりにしようか。最後にイッていい?」

「好きにして」って答えた。

四つん這いになるように言われて。
さっきイッたときも後ろだったし、『Kさん、バックが好きなんだ』って思った。

さんざん抱き合ってなんだけど・・こんなに明るい場所で、初めてする人に無防備にお尻を差し出すのは、そのときでも抵抗がありました。
全て晒してしまったと思ったら、顔から火が出そうだった。

「『彼氏より大きいものでイカせて』って言って」
「意地悪しないで。我慢できないの」

「好きにしてって言ったろ」
「やだ。絶対言わない」

「強情だね。お尻の穴からフトモモまで垂れてるのに」
「そんなところ触らないで」

「言うまで止めない」
「あたしが本気でイヤがることはしないって約束した」

「言って楽になれよ」

羞恥心と屈辱感でどうにかなりそうなところに、追い討ちをかけられました。

「言わないと、俺に狂わされたこと、みんなに話すよ」

もう、本当に頭がおかしくなりかけて、今にも負けてしまいそうだったけど、「これ以上されたら、Kさんを恨む」って言ったら、やっとやめてくれた。

Kさんは「ゴメン」って背中にキスしてから、私の中に入ってきました。

最後はすごく激しくて、壊れそうなくらい手加減無しでされました。
彼氏のことなんて、頭から飛んじゃってた。
腰を掴まれ、肩を押さえつけられて、髪まで引かれて。
逃げたくても逃げられず、強引にイカされて、イッた後も続きました。
息が出来ないくらい苦しくて、辛くて。
こんなSEXがあるなんて、思わなかった。
私は乱れ泣いて、グシャグシャになってた。

どのくらいの時間かわかりませんが、体感ではとても長かったです。

「もう無理。許して」ってお願いしたのに、Kさんがイクまで止めてくれませんでした。

行為が終わったあと、しばらく放心状態で、正直に「こんなの初めて」って漏らしたら、髪の毛をクシャクシャに撫でられました。

それから、シャワーを二人で浴びました。
Kさんが私にシャワーをかけながら、知られてしまった感じるポイントを撫でてきて。
「ダメ、もう終わり」って言っても、メロウなキスに阻まれてしまう。

擦りつけるように抱き合って、互いを感じ合うアフタータッチ。
終わったはずなのに、余韻を体に刻まれて、疼かされてしまう。
本当にヤバイ人と関係を持ってしまったと思った。

「またしようね」
「・・・彼に悪いから」

「俺のがいいって言ったクセに」
「無理やり言わせたんじゃないですか」

「俺にイカされた」
「やめて」

「彼氏じゃ届かないところに当たるって言った」
「そんなこと言ってない」

「もう許してって泣いた」
「やめてってば」

「◯◯さんの正体、暴いてやった」
「・・・」

何も言えなくなった私のあそこを触って・・・。

「ほら、言葉で責めただけで濡れるMだ」

Mだとか調教だとか言われて、私、ホントにそうなのかなって。
MっぽいとMでは、かなり違うと思うので。
言われてショックでした。
浮気したことも後悔だけど、M認定されたことも引きずってしまいそうで。

悶々とした気持ちのまま、ホテルを出る頃には空は明け始めてました。
長い時間Kさんの傍に居たんだと、改めて思いました。

帰りの車の中で私が無口だったので、「ちょっと無理しちゃったかな」って謝られました。

可愛かった。
またこうして会いたい。
今の彼と別れたら、自分と付き合って欲しいとも。

でも、嘘ですよね。
雰囲気に流されて浮気するような女だとわかって、なのに彼女にしたいなんて。

冷静になったら、疲れたのと罪悪感がひどく重くて、会話をする気力がありませんでした。
彼氏の浮気で悩んでた自分が、逆に流されるままに浮気して、快感に負けて溺れて。
それどころか、彼を裏切っている気持ちを媚薬にして感じてしまった。

されたこと、言われたこと、言わされたこと、自分から求めてしまったこと。
それが頭の中を巡って離れずにいました。

「気持ちの整理ができたら連絡しますから」とだけ言って、車を降りました。

Kさんと肌を重ね合わせていた間も、帰りも、携帯に彼からの連絡がなかったことだけが救いでした。

直後に、彼氏とは別れました。

向こうが浮気を認めて、「相手の子のこと好きになった」って。

泣いた私を慰めてくれたけど、悲しいから泣いただけじゃなくって、正直ホッとしてしまった自分が情けなくて泣いた。
私は、結局彼を裏切ったことは伝えられずじまいで。
友達も、私が『捨てられた』と思い込んでしまい、友人間で少しゴタゴタがあって、それも気が重かったです。
普段気が強いふりして、肝心なところでジメジメしてる。

耐えられず、自分からKさんに電話してしまいました。
彼とお別れしたこと、裏切ったことを伝えられなかったこと。
彼だけが悪いわけじゃないのに、周囲に言い出せなかったこと。

Kさんのマンションで、全部話しました。

「苦しめちゃったね」

そう言って、ハグしてくれた。

たまらなくなって、私から「一緒にいて」ってお願いしました。
おもちゃにされてもいいと思った。
でも、その日は静かに愛してくれました。

それから、Kさんと一緒にいる時間が増えました。
事情を少し知っている人には、彼氏彼女関係だと思われてたけど、私はそう思ってなかったです。

彼のオンナであったとは思う。
でも、彼女じゃなかった。

Mだって決め付けられて、酷いこともされました。
怖かったのは、要求がエスカレートすること、それを受け入れてしまうこと、受け入れて当然のように振舞われることです。
環境に慣れたり感覚が麻痺すると、大事なものを失うような気がして、それはイヤだった。

ずっとMっけがあると自分でも思ってたけど、本当にMなのかわからないです。
“ぽい”ってだけで、違うんじゃないかと思うこともある。
他人に相談できないし、これだけは今でもわかりません。

普通以上M女未満の、Mだと思う。
プチM。
たぶんM。

私は、スポーツするようにエッチできないし。
ペットでもないし。
ベッドの上で支配されたい欲求もあれば、灯りを消した部屋で普通に肌を合わせたい夜だってある。
好きになったら抱かれたい。
Kさんとは順番が逆になったけど、関係したら好きになってしまう。
でも、彼は一人の女で満足できる人じゃないし、私もこの人とは無理だと思うようになった。

半年後、Kさんが異動になり、私も関係を清算するつもりで転職しました。
連絡が来ても無視して、しばらく会うことも無かったのですが、次に失恋したときに一度、マンションに行ってしまったことがあります。

「自分から来たんだから」って、メチャクチャにされた。

凄く後悔して、もう二度と会わないって誓った。
それがKさんと会った最後。

感情的には、もうとっくにKさんから卒業してますが、体が寂しいとき、ふと思い出して、一人慰めエッチしてしまうことはあります。
自分でもだらしない女になったって思う。

昔のオトコ関係なんて、たいがい忘れてしまうけど、これは無理。
色んな意味で自分を知った夜だったから。
忘れようとしても忘れられない。

でも、後悔もしたけど、経験はブレーキにもなってます。
もうあの頃のように流されることはないです。

最後は自分でも、なにを書いているかわからなくなってしまいました。
これでおしまいです。

読んでくれてありがとう。

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