父親の後妻になろうとしている30代半ばの女と

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夏休みの寝苦しい朝だった。
僕は、下半身に違和感を感じて目が覚めた。
もう七時を回っているじゃないか。
僕は、階下におりて行った。
風呂場の横の洗濯機の置いてあるスレートで囲った場所に、汚した下着をこっそり持っていくつもりだったんだ。
まさか、高三にもなって夢精をしてしまうなんて。

と、すすり泣くような声を聞いたような気がした。

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「ああっ。くぅっ」

子犬の鳴くような、痛みに耐えるような・・・。
そっと流しのある方から、洗濯場の方に回ろうとしたとき、洗濯機の前にたたずむ女の姿が目に入った。

「尚子だ」

彼女は横山尚子といって、父の後妻に入ろうとしている女だ。
母が死んで、はや六年が過ぎ、弁護士の父は寂しさからか、事務所のこの女とねんごろになったらしい。
そして彼女は押しかけてきたのだ。

年の頃は三十半ばで女盛りとでも言うのだろうか。
弁護士事務所に勤めているだけあって、ケバさはない。
むしろ地味だ。
黒い縁の眼鏡と、ひっつめ髪とでも言うのだろうか、そういう何の変哲もない女だった。

ただ、体は違った。
小柄なくせに、出るところは出ていて、メリハリのきいた体をしていた。
父もそんなところに惚れたんじゃないかと思うくらいだ。
ミントグリーンのエプロンの後ろ姿から丸見えの白のホットパンツ。
そこから突き出る二本の生足は子持ちシシャモを連想させた。

「ああん」

尚子は洗濯機に腰をぴったり寄せて、脱水の振動に身を任せている。
角をあそこに当てている・・・。

(オナニーしてるんだ・・・)

とっさに僕は理解した。
彼女も女なのだ。
持て余す性欲をああやって発散させているのだ。
それは、僕と同じなんだ。

浅ましく尚子の左足が上がり、空を掻く。
彼女が俯いた瞬間、肩に力が入って、洗濯機の縁を掴んでいる手指が白く血の気を失った。
ガクガクと彼女の体が揺れるが、それは脱水機の振動が伝わってのことなのか、自らの運動なのか俄かには判断しかねた。

「あふぅ~」

玉の汗をあごに伝わせて、天を仰ぐように上を向き、ゴクリとここまで聞こえる音をさせて唾を飲み込んだ。
僕の右手は冷蔵庫の陰でカチカチに充血した分身を出して、夢中でしごいていた。
今朝出したのに、僕は、また絶頂を迎えようとしていた。

「あああっ」

手が速くなり、めいっぱい亀頭を剥いて露出させ、射出に備えた。
びゅくびゅくと粘い液体が尿道を切り裂くように濃い塊が飛び出し、冷蔵庫の側面に跳ね、ダラダラと流れを作った。
これはもう、手に持っている汚れ物で拭いて始末するほかなかった。
こんなに情けないことはない。
尚子はというと、すでに何食わぬ顔で脱水を終え、洗濯物をカゴに取り出していた。
僕は見つからないように、汚れ物を持ったまま階段をそっと上がっていった。

洗濯物を干しに、尚子が階段を上がってくる。
僕の部屋を通らないと物干し台には出られない。
僕は汚れ物をタオルケットに包んで隠した。

「おはようございます」

彼女はさっきのことなど、まったく感じさせない表情で挨拶して部屋に入ってきた。

「おはよう」
「ごはんの支度できてますから、食べてね」

「は、はい」
「それから啓二さん、昨日の洗濯物がなかったけど、着替えてないの?汗で汚れてるでしょ。早く出して。お洗濯するから」

と、言われても・・・。

「あ、ああ、じゃ持って行っとくよ」

そう言うのが精一杯だった。

尚子はにっこりと頷いて、物干し場の網戸を開けて、ツッカケを履いて出て行った。
僕はその後すぐに下りて行って、汚れ物を丸めてシャツに厳重に包んで洗濯機に放り込んだ。
そして遅い朝食を新聞を見ながら食べていた。
降りてきた尚子に向かって、「父さんはもう出かけたの」と問うた。

「そうよ。あたしも、もう行かないと」

そう言いながら、また洗濯場に行ってしまった。
やばいかな?と思いながら、飯の味など判らなかった。

「洗濯機を回していくから、終わったら啓二さんが干してね」と洗濯場から声がした。

「あ、はい」

どうやらバレなかったらしい。

その週の土曜日の昼、父は弁護士会の寄り合いとかで出て行ってしまい、家には尚子と二人っきりになった。

「啓二さん、お昼なんでもいい?」
「うん」

「じゃ、おそうめんにしようか」
「うん」

今日の尚子は、ひっつめ髪じゃなくって、解いて後ろでポニーテールに束ねている。
そのせいか、いくぶん若く見えた。
彼女の後ろ姿を見てると、やはり股間に血液が充満してくるのには困ってしまった。
テレビをつけて気を紛らわすことにした。
そうめんをすすりながら、何を話すでもなく尚子は「暑いね」だとか「勉強は捗ってるの」とか、一人前の母親のような口を利く。
僕は、いいかげんな返事をしながら彼女の胸元を見ていた。
くたびれたTシャツの襟ぐりは大きく開いて、彼女の大きな胸が作る谷間を覗かせている。
汗でしっとりとしている感じが見て取れた。

「ねえ、ひとつ聞いていい?」

コケティッシュに小首をかしげて、僕に問う。

「なんだよ」

「この間、お洗濯物、どうして出さなかったの?」

(聞くかぁ?そんなこと)

やっぱり感づかれていたのだ。

「どうしてって。その、あれだよ」

「出しちゃった・・・」

ドキッとするような目を眼鏡越しに見せた。

「まあ、そういうことだよ」

「元気なんだぁ」

(なんだよ、こいつ。僕をなぶってんのか?)

「じゃあ、僕も聞いていい?」

「なぁに」

「同じ日、尚子さんは洗濯機の角にあそこを当てて何してた?」

彼女の顔がみるみる赤くなって、下を向いてしまった。

「見てたの・・・」

そう、低い声で言った。

「お、お互い様じゃないか」

僕は慌てて、そう取り繕った。
その場はそれでおしまいだった。

昼食の後、二階に上がって窓辺に腰掛けた。
二階の僕の勉強部屋から真夏の町並みが見える。
その向こうは海が広がっていた。
町は死んでしまったかのようだ。
蝉の声も真昼のこの時間は聞こえない。

「暑いなぁ」

独り言がつい出てしまう。
扇風機は熱い空気をかき混ぜるだけで、無いほうがマシだった。

「いい?」

尚子の声が障子の外で聞こえた。

「どうぞ」

すっと障子が開いて、白い足が入ってきた。

「なんだ、お勉強してたんじゃないんだ」
「こう暑いとだめだね」

「はい、スイカ切ったの」
「ありがとう」

しばらく二人で海を見ながらスイカを食べた。

「啓二さん、あたしのこと嫌い?」
「なんなんだよ。いきなり。そんなことねぇよ。ただ・・・」

「ただ、何?」
「戸惑ってんだ。若い女が母親代わりってさ」

「母親じゃなくっていいじゃない」
「じゃ、なんなのさ」

「お姉さんでもいいじゃない」
「そんな、急に言われてもね」

そばに尚子が寄ってきた。

「いいことしよっか?」

「何?」

「目を瞑って・・・」

だいたい予想できたから、目を瞑った。
柔らかいものが唇に当たった。
スイカの香りがした。
僕は夢中で尚子を押し倒し、唇を貪ってしまった。

(父親の女をいただくんだ・・・)

尚子は抵抗しなかった。
気がついたら、お互い裸になって、汗を交わらせて抱き合っていた。

「したことあるの?」

「ないよ」

「じゃあ、お姉さんがしてあげる・・・」

畳の上に寝かされ、すでに硬く立ち上がったものを咥えられた。
それは一人でするのより何倍もすばらしい快感だった。

「あ、あ、だめだって」
「もう、だめ?」

「出ちゃうよ」
「敏感ね。じゃ、もらっちゃおうかな。キミのドウテイ」

そう言って膝立ちになって、僕を跨いだ。
きれいなお椀型のバストが僕を見下ろしているようだ。

「見える?」

入るところを見せてやろうという事らしい。
僕は首をもたげて見た。

「うん」

右手で僕を支えて、薄い毛に覆われた目的地に宛てがった。

「入れるよ」

熱いぬめりが僕の先端にまとわりつくようだった。
最初、反り返った僕のモノはうまく滑らず、尚子は顔をしかめたが、やがてゆっくり腰を落としてきた。

「ああん。すっごく硬い」

そんなことを言って、全てを収めて、ぴったりと尻を僕のももに押し付けた。
そうしてグリグリと円を描くように腰を回すのである。
僕は、もう痺れるような感触で、彼女の中に消えた分身を目で追っていた。

「どう?初めての感じは」

「すごくいい。でも、尚子さん、こんなことおやじに見つかったら・・・」

「黙ってたらわからないよ。お父さんは、あたしの体には興味ないみたい」

信じられなかった。
こんないい体を目の前にして興味ないとは。

「あ、イキそうです」

僕は情けない声を上げた。

「いいわよ。そのまま、お姉さんの中にイキなさい」

(いいのか?妊娠は大丈夫なのか?)

そんな理性的なことはすぐに飛んでしまい、恥ずかしいくらい大量に吹き上げた。

「あ、あああ・・・」

そのまま二人は暑い部屋で焼け死にそうになりながら抱き合った。
再び、蝉の声が聞こえだした。

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