母は包丁よりも強し

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だいぶ前のことだが、うちはアパート経営をしていて色々な職種の人に部屋を貸していた。

ある日、40歳は過ぎた女がやって来て庭に車を駐車させてほしいと言ってきた。
うちのアパートに別居中の旦那さんが借りているようなので、話し合いをしたいので待たせてほしいという事だった。
かなり切迫した表情だったし、店子のことだから人肌脱ぐかと父親が承諾した。

女は長い時間、車の中でジッと待っていた。
夜10時を過ぎた頃、旦那が帰宅した。
旦那は不倫をしていたようで女連れ。
女はカメラを取り出し、フラッシュを物凄い勢いで二人に浴びせた。

ここまでは面白おかしく二階の自分の部屋で見ていたのだが、次の瞬間に身体が固まった。
女は包丁を取り出し二人に向けた。
もう心臓は爆発しそうなくらいになり、慌てて1階の両親の所に行き「殺される~」と叫んだ。

両親はきょとんとしながら

「誰が?何言ってんだ?」と。

「さっきの女が包丁振り回してる~。旦那殺される~」と叫んだ。

父親と慌てて庭に出たら、女は物凄い形相で旦那と不倫相手を睨みつけ、今にも刺しそうな気配。
不倫相手はまだ若く20代前半って感じ。
二人ビビって動けない、こちらも動けない。
どうすんだよ~、自分の家の庭で殺人事件なんて冗談じゃないよ~と半泣きでいたら、母親が大根持って出てきた。

つかつかと女の所に行き、「包丁は人を斬るもんじゃない」と言って、大根を包丁に突き刺した。
女も不倫コンビも父親も自分も唖然・・・。
女が包丁持って固まっているのを見計らい、振り向き旦那のもとに行き平手をかました。

「女房をここまで追い詰めるんじゃない!!」と一喝。

旦那はへなへなと座り込んでしまった。
とりあえず我が家に3人を招き入れ、懇々と説教を食らわせていた。

不倫相手に二度と会わない約束をさせ、女には子供のことを考えろと説教。
旦那には「このバカちんがぁ~~」と、とびきりの雷を落としていた。

後日、女と旦那は夫婦そろって「迷惑をかけた、お互いにバカなことはしない」と謝罪と挨拶に菓子折りを持って来たらしい。

比較的おとなしい母だったのだが、それ以来父はなんとなく母の顔色を窺って過ごしている。

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